
台風6号は、沖縄から関東までの太平洋沿いを勢力を保ったまま進み、幅広い範囲に土砂崩れなどの被害をもたらしました。
危険のレベルを5段階に分ける新たな『防災気象情報』がフル稼働した今回の台風。温帯低気圧に変わりましたが、台風と大雨の季節はほんの入り口です。今後も油断はできません。
“強風”に“土砂崩れ”一時孤立も…台風6号 列島各地で爪痕あらわに
東京23区にも初の“危険警報”
台風6号が直撃した関東。各地で冠水などの被害が出ました。

女性
「こっち通れない。川でしょ全部。溺れちゃう」
冠水してはいないものの、東京・稲城市の道路ではマンホールから水が噴き出しました。

みるみるうちに警戒水位まで水が上がっていった、東京・杉並区を流れる善福寺川。この他にも世田谷区などを流れる野川・仙川などで水位が上昇したため『レベル4氾濫危険警報』が出されました。

周辺に住む人
「すごい危険。これ以上、危険になったら、山の上の小学校に避難するよう(子どもに)伝えた」
“強風”に“土砂崩れ”一時孤立も
台風は北関東で風による被害ももたらしました。水戸市では午後2時過ぎ、最大瞬間風速30.1メートルを記録。6月では観測史上最大です。

駐車場に横たわる大きな屋根。車を飲み込むように覆いかぶさっています。強風が襲ったのは、水戸市の住宅街・県道に面した3つの店舗が入る建物。その黒い大きな屋根です。丸ごと剥がれ落ち、木材がむき出しの状態に。水戸市ではこうした強風による屋根の被害が相次ぎました。

経路を振り返ると、台風6号は列島の広い範囲に被害をもたらしました。午前1時1分、徳島県阿南市は、桑野川付近の住民31世帯63人に対して『緊急安全確保』を発表。河川カメラはすさまじい勢いで増水する様子を捉えていました。その約20分後、線状降水帯が発生します。阿南市椿町では土砂崩れが発生し、13世帯25人が一時孤立状態になるなどの被害が出ました。

同じ四国、香川県でも土砂崩れが発生。東かがわ市では、24時間降水量が166ミリと6月の観測史上最大を記録しています。
和歌山で「レベル5氾濫特別警報」
和歌山県南部は、午前2時10分に線状降水帯が発生しました。同じ時間帯の白浜町の映像でを見ると、台風の雨は風になびきながら吹き付けるように。この2時間後、台風は和歌山県南部に上陸。この時期の上陸は14年ぶりのことです。

気象庁は午前5時35分、和歌山県の古座川に新しい警報が運用されてから初めてとなる『レベル5氾濫特別警報』を発表しました。
日が昇り、紀伊半島の南にある古座川町の役場に行ってみると…。
岡谷藍記者
「古座川町役場のすぐ裏手には川が流れていますが、この坂を下った所には駐車場があったそうなんですが、もう見えなくなっています」

付近を流れる古座川の茶色く濁った水には流木が。田んぼにはコイでしょうか、魚が打ち上げられていました。
また、串本町の駅周辺では…。

岡谷藍記者
「JR田並駅の近くに来ています、あちらの道路を見てみると、道と堤防が崩れ、ガードレールも大きく曲がっています」
水没した家の前のフタ。床上まで水が来たという三重県紀北町の住宅には、その痕がクッキリ残されていました。この家は以前にも浸水の被害に遭っていました。

浸水被害に遭った住民
「これは前のやつだけど、今回はここまで」
家の中も畳を上げて…。浸水に気付き、午前3時ごろに備えたといいます。

伊勢市を流れる五十鈴川は、家と川の隔たりがなくなっていました。市は、午前5時に氾濫の恐れがあるとして、付近の住民に避難指示を出しました。
土砂が線路に…復旧めど立たず
午前9時の静岡県伊東市。大量の土砂が住宅街に流れ込んでいました。この時、伊豆では1時間に60ミリ以上という、滝のような雨が降っていました。

県内では、大規模な土砂崩れも起きました。現場は、河津町にある伊豆急行の踏切です。午前11時ごろ「土砂が電柱を押し倒し電線から火花が出ている」と通報がありました。
近隣住民
「うちの前の土のうが崩れたかと思った。窓を開けたら水が奥の方から出て、火花が散って煙が出ていた」
作業員
(Q.全部取り除くのは時間がかかる)
「結構かかるんじゃないですかね。線路の上にもあるしね」
伊豆急行は、台風の接近に伴い、もともと全線で計画運休していました。ただ、復旧にはかなりの時間を要するとみられます。
周辺でも土砂が住宅に流れ込み、一部は家の中まで達しました。消防庁によると、沖縄から東海の6県で合わせて23人がけがをしたということです。
“線状降水帯”の川崎一帯が水に
線状降水帯は、静岡県伊豆で午前7時19分に、そしてその約2時間後、今度は神奈川県東部で立て続けに発生しました。

男性
「(傘は)もうボロボロ。濡れるけど諦めて行くしかない。突き進むだけ」
台風の影響を受けた川崎市。午後は強風、午前中は大規模な浸水が起きていました。商店街は水に浸かり、くるぶしくらいまで水かさがあったということです。

川崎銀柳街 道木淳弘専務理事
「午前8時過ぎくらいから、もしやって思ってたら。あっという間、もう10分くらいで」
過去にも浸水被害に遭ってきたという商店街では、こんな対策を行っている店も。

川崎銀柳街 吉澤慶太理事長
「お店を貸す時に、そういうことがないよう(床を)上げて、今回は問題がなかった。そちらのお店も。水対策ということ。規模が(最近は)読めない状況になってきているから。商店街としては『防災』もこれからやっていかないと」
一時、約140万人に避難指示が出された台風6号。関東では、強風にあおられた30代の女性など5人のけがが確認されています。
