【報ステ】3カ月間で“利益”1兆円超え『キオクシア』社長に聞く爆発的成長の理由

【報ステ】3カ月間で“利益”1兆円超え『キオクシア』社長に聞く爆発的成長の理由
この記事の写真をみる(9枚)

過去1年で3万円も値を上げ、連日のように最高値を更新する日経平均株価。直近の、この急上昇をけん引していると言われるのが、AIなどに使われる半導体メモリーの大手『キオクシア』です。かつては東芝の一部門でしたが、なぜここまで成長したのか。社長に直接聞きました。

【報ステ】3カ月間で“利益”1兆円超え『キオクシア』社長に聞く爆発的成長の理由

社長に聞く“株価50倍”の衝撃

キオクシアの時価総額
拡大する

キオクシアの時価総額は一時、トヨタを超え、3カ月の営業利益の見通しは約1兆3000億円。2024年末の上場時は1440円だった株価も、今年に入ってから急騰。約50倍になりました。

キオクシアHD 太田裕雄社長
拡大する

キオクシアHD 太田裕雄社長
(Q.1兆円超えの見通しには驚いた)
「この数値にたどりついたというのは私自身も驚いている」

今、生産工場は24時間365日態勢でフル稼働しています。ここまで急激な成長、その理由は…。

キオクシアHD 太田裕雄社長
「個人・会社を含めて“生成AI”を活用するフェーズに入ってきて、大企業がデータセンターを数多く作り、そのマーケットを支えている」

いまや当たり前になりつつある生成AIの活用。例えば、日常でお礼のメールを書いたり、文章を要約したり、今晩のおかずのレシピを考えたり。大きくは、専門的なコードの作成、企業に合わせた戦略を策定するのも。

キオクシアHD 太田裕雄社長
「いまやAI明日から使わないでくれって言われて困ってしまう方がかなりいらっしゃるでしょうし、企業も今やAIなくして効率アップはたぶん図れなくなっている」

社長に聞くメモリー技術で“躍進”

AIの頭脳は、エヌビディアなどが開発する『GPU』と呼ばれるもの。ただ、頭の回転だけが速くても、肝心の知識がなければ、優れた考えは生まれません。考える材料となる膨大なデータを保存し、素早く引き出す“記憶力”を担うのがメモリー。キオクシアが長年手掛けてきました。

GPU
拡大する

キオクシアHD 太田裕雄社長
「膨大なデータをストレージとして記憶できて、非常に高速なアクセスができるのは、我々がやっているメモリー、NANDフラッシュ以外には世の中に存在していないということで、間違いなく大容量で高速アクセスできるメモリーが必要」

キオクシアのNAND型メモリーとはどんなものなのでしょうか。キオクシアのメモリー開発は、前身の東芝時代に始まります。1991年には電源がなくても記憶を保つことができるNAND型メモリーが製品化されました。

NAND型メモリーが製品化
拡大する

そして2007年。世界で初めてデータを積み上げて容量を増やす技術を発表しました。これまでのメモリーは、いわば平屋の家で、単純に土地や面積を広げないとデータを増やせませんでした。一方、キオクシアの新技術は、タワーマンションのようなもの。同じ土地の広さのままで100階、200階と部屋、つまりデータを上に積み上げることができます。

2007年。世界で初めてデータを積み上げて容量を増やす技術を発表
拡大する

このメモリーの塊が今、建設ラッシュが起きているデータセンター。これからの時代に欠かせないインフラになり、メモリーは世界中から引く手あまたです。AI発展と共に世界中から注文を受け、莫大な利益を上げている現状はバブルではないかとの指摘もあります。

キオクシアHD 太田裕雄社長
「私自身はITバブルを経験しています。それと今回のこのAI、大きな違いがあると思っています。今、お客様から複数年にわたる長期の契約で、NANDをサポートしてもらえないかというお話も数多く頂いてます。我々の将来にとって非常に安定的なビジネスモデルに変えることを可能にする、お客様のご要求になっているのかなと感じています」

東芝から分社化“逆風”を突破

時代にのるキオクシア。ただ、ここまでの道のりが順風満帆だったわけではありません。東芝の一部門だった2010年代半ば。起きたのは不適切会計問題。さらに、その後。アメリカで進めた原発事業の巨額損失で経営危機に陥ります。そこで、債務超過を回避するために、最も高い収益力を持っていたメモリー事業が分社化・売却の対象になりました。

東芝 綱川智社長(2017年当時)
拡大する

東芝 綱川智社長(2017年当時)
(Q.半導体メモリー事業を売ることは、中長期的に正しい経営判断か?)
「今の東芝の財務体質だと、今後成長させるためには年3000億円程度の設備投資、これがないと戦っていけません。現状では正しいことだと考えています」

そして、2018年に独立します。東芝時代から40年にわたり技術畑を歩んだ太田社長。東芝からの独立はメリットもあったと話します。

キオクシアHD 太田裕雄社長
「東芝の時代はいわゆる総合電機メーカーという会社だった。その中の一部門という位置付けでメモリー事業をやっていた。自分で稼いだお金を次の投資に自分たちでは判断できない。それに対して今は完全に独立しているので、自分たちで稼いだお金を次の投資に自分たちの判断で回せる。非常に早い判断ができるようになっている。そういう意味で東芝から独立したのが一つ、それは大きなメリット」

キオクシアは韓国の2社に続きシェア3位
拡大する

作れば売れるメモリー。ただ、今のところ、キオクシアは韓国の2社に続きシェア3位。後ろからはアメリカ企業などが追いかけてきています。

キオクシアHD 太田裕雄社長
「非常に強力な競合と戦っていくためには、今我々が持っている技術開発力にもっと磨きをかける。研究開発にもっとお金を投資したり、良いものをもっと早くお客様に提供できるところにも金を回したり、市場が今回非常に強い要求をしているので、マーケットの成長度合いに合わせた増産投資に対してもお金を回したい」

商機を掴む実力を磨く。今後、2028年度までに約1兆5000億円をかけてAI用メモリーの増産体制入るといいます。

キオクシアHD 太田裕雄社長
拡大する

キオクシアHD 太田裕雄社長
(Q.1987年以降、発明された東芝発の技術が世界最先端に)
「我々が発明した技術がベースとなっていることは非常に誇り。今後もキオクシア発の製品を世の中に出して、第2のNANDみたいな世界を将来作れたらいいなと」

この記事の画像一覧
外部リンク
この記事の写真をみる(9枚)
このまま画像を見る
続きは広告を見た後にご覧いただけます
クリックして広告を見る