被告が涙で謝罪 焦点は「殺意」 監禁は認めるも殺人は認めず 旭川・女子高校生殺害

被告が涙で謝罪 焦点は「殺意」 監禁は認めるも殺人は認めず 旭川・女子高校生殺害
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 北海道旭川市で17歳の女子高校生を橋から転落させて殺害した罪などに問われている内田梨瑚被告(23)への被告人質問が4日に行われました。内田被告は涙ながらに初めて謝罪の言葉を口にしましたが、殺意については否定しました。

【画像】被告と現場にいた女「私だけでも本当のことを話さなきゃ」

監禁は認めるも

旭川女子高校生殺人事件
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 おととし4月、気温5℃という寒い夜、橋の上にいたのは被害者と2人の女。当時17歳だった女子高校生が橋から転落し、その1カ月後、およそ60キロ下流の地点で遺体となって見つかりました。

内田梨瑚被告(23)
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 この事件で女子高校生を殺害した罪に問われているのが内田被告。裁判で問われているのは、殺人や監禁など3つの罪。

 検察側の冒頭陳述によると、内田被告は共犯者の女とともに女子高校生を車に乗せ、留萌市から旭川市まで連行し、途中、暴力を加えたうえ車内に監禁。

 その後、旭川市内の神居古潭で被害者の女子高校生を全裸にさせたうえ、橋の欄干に座らせ「落ちろ」「死ねや」と何度も怒鳴るなどして、女子高校生を橋から川に落下させて殺害したとしています。

 これまでの裁判で、内田被告は監禁については認めていますが、殺人については認めていません。

「人生を奪った」涙で謝罪

 4日、旭川地裁で行われた7回目の公判。内田被告に対する最後の被告人質問が行われました。

弁護側
「亡くなった被害者のAさんのご遺族に謝罪文を書きましたね」

内田被告
「はい」

 裁判冒頭、内田被告が亡くなった女子高校生Aさんの遺族へ宛てた手紙を弁護人が代読するところから始まりました。その後、弁護側の被告人質問では…。

裁判で遺族に謝罪したのは初めて
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弁護側
「ご遺族に伝えたいことはありますか」

内田被告
「私の身勝手で非常識な言動によって、Aさんを再三傷つけ苦しませ、これからの人生を奪ってしまい本当に申し訳ございません。これからも自分の罪と向き合って、まずは自分にできる償いを見つけていって、受刑生活を真面目につとめます。本当に申し訳ございませんでした」

 内田被告は涙を流しながらそう語ると、遺族に20秒ほど頭をさげました。これまでの裁判で遺族に謝罪したのは初めてです。

「殺意はなかった」と主張
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 その後、遺族側の弁護士による被告人質問で殺意があったか聞かれると…。

遺族側代理人弁護士
「Aさんが亡くなったのは自分の言動によるものだと書きましたね」

内田被告
「はい」

遺族側代理人弁護士
「この裁判でAさんを殺していないという主張をしていますが、すべて私の責任と言ったのはなぜですか?」

内田被告
「Aさんに対する殺意は全くありません。橋の上で落下させてもいません。ですが、Aさんが亡くなってしまったそのきっかけは、Aさんと合流してAさんを苦しめた結果だと、そのように思います」

 内田被告はAさんの遺族に涙ながらに謝罪をした一方、一貫して「殺意はなかった」と主張しました。

発端はSNS

事の発端はSNS
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 当時17歳の女子高校生を殺害したなどの罪に問われている内田被告。事の発端はSNSでした。

 検察側の冒頭陳述によると、Aさんが内田被告の画像を無断でSNSに投稿。投稿されたのは、内田被告がラーメンの麺を箸で持ち上げている画像で、内田被告の顔は麺と箸で隠れていました。

 内田被告はSNS上でAさんとつながっていた16歳の少女から投稿を知らされ、Aさんに連絡。Aさんは無断で画像を使用したことを謝罪しましたが、内田被告は示談金名目で50万円を要求したといいます。

写真をSNSで使われたことに対して
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 写真をSNSで使われたことに対して内田被告は…。

弁護側
「話を聞いてどう感じましたか?」

内田被告
「その写真を使っている人は、私のことを知っている人なのかどうなのか。何が目的なんだろうって思いました」

 Aさんと内田被告に面識はありませんでした。

弁護側
「どうして使ったのか聞いた?」

内田被告
「『いい写真だったので』と」

弁護側
「あなたは?」

内田被告
「『いい写真だったら勝手に使っていいの?』と」

弁護側
「Aさんはなんと答えましたか?」

内田被告
「『すいません』と言いました」

死亡直前の会話

 その後、内田被告はAさんを留萌市の道の駅まで呼び出し、知人とともに旭川市から車で向かいます。合流したAさんを車に乗せた時の状況については…。

Aさんを留萌市の道の駅に呼び出した
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弁護側
「Aさんは車のどこに座っていましたか?」

内田被告
「助手席です」

弁護側
「どんな態度でしたか?」

内田被告
「大きな態度です。助手席のシートに深く座って両腕をひじ掛けにのせていました」

弁護側
「あなたはどう言いましたか?」

内田被告
「その態度はおかしいでしょと言いました。まず初めに写真を使ったことについて謝ってくるだろうと思っていたので、私が言わないとAさんから『すみません』と言ってこなかったので、おかしいと思いました」

神居古潭へ
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 Aさんの態度に腹を立てたという内田被告。その後、自らの“舎弟”と呼んでいた女と合流。内田被告はAさんと3人で旭川市の中心から車で25分ほどの神居古潭へ向かいました。

 事件当日、気温5℃の中、内田被告らは女子高校生を全裸にし暴行を加えました。そして橋の欄干に座らせ、謝罪する様子を撮影しました。

 内田被告らは「落ちろ」「死ねや」などと何度も怒鳴りつけ、その後、女子高校生は橋から落下し死亡しました。

殺意の有無 食い違う証言

殺人を否認
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 裁判の焦点は、内田被告の殺人罪が成立するかどうかです。5月25日に行われた初公判で内田被告は、「私に殺意はありませんでしたし、橋から落下させていません」と証言しました。

 内田被告の弁護人は、被害者の女子高校生は落ちそうになったものの、橋の下にあるロープなどにつかまり、自力で登ってきたと主張。その後、内田被告と女が欄干の外側に立っているAさんを残し、足早に立ち去っている時に後ろから「キャー」という叫び声とダンッという大きな音が聞こえたとして、殺人について否認しています。

内田被告と現場にいた女
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 しかし先月27日、現場に一緒にいた女が証人として出廷します。

内田被告と現場にいた女
「Aさんは自分で落ちてなんかいません。梨瑚さんが話しているようなことは一切なく、全部作り話で最初から最後まで全部嘘です」

 証言をした女はすでにAさんに対する殺人罪などで懲役23年が確定しています。

「Aさんはおびえていた。内田被告は『早く落ちろ』『自分で死ねや』と怒鳴っていました」

検察側
「そのように言われたAさんはどうなりましたか?」

内田被告と現場にいた女
「1回だけ大きく深呼吸して、上体を前に倒しました」

 女によると、この時、Aさんは欄干の外側に立っていて、腕を左右に開いて欄干を握っている状態でした。そして…。

「被告が両手で押した」
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内田被告と現場にいた女
「梨瑚さんはAさんの肩甲骨のあたりを両手のひらで押しました」

検察側
「Aさんはどうなりましたか?」

内田被告と現場にいた女
「私の目の前から一瞬で消えました」

検察側
「あなたはどうしましたか?」

内田被告と現場にいた女
「下を見るとロープか何かにつかまっていました。引き上げようと欄干の隙間から手を伸ばしました。ギリギリ届くか届かないかのところでした」 

検察側
「Aさんはどうなりましたか?」

内田被告と現場にいた女
「消えました。体感で6秒ぐらいでした。『キャー』という高い叫び声が聞こえました。『バン』という何かにぶつかったような図太い音がしました」

 内田被告が“最後に押した”と証言したのです。さらに…。

内田被告と現場にいた女
「梨瑚さんから警察に何を聞かれても“黙秘”するように言われました。(内田被告に)ばれたら怖いと思って言えませんでした」

証言した理由
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 黙秘するように指示されていたとする女。証言した理由について問われると…。

内田被告と現場にいた女
「Aさんの遺体の写真を見ました。こんなにも愛され、とても大切な命を奪ってしまった。梨瑚さんが話しているようなことは一切なく、全部作り話で最初から最後まで全部嘘です。他の人の事件を聞いているみたいと思いました。Aさんは自分で落ちてなんかいません。私だけでも本当のことを話さなきゃ、いや、話したいと思って話しました」

被告は殺意否定

第6回公判
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 これに対し、内田被告は3日の第6回公判で…。

裁判官
「あなたはAさんのどこをどう押したのですか?」

内田被告
「Aさんの右手を外すような感じで、押すというよりは外すような行動をとりました」
「Aさんの腕や脚を私たちが外そうとして、脚が外れて下半身から欄干の外側に落ちてしまった」

裁判官
「Aさんはどうしましたか?」

内田被告
「自力で戻ってきました」

異なる証言
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 現場に一緒にいた女の「最後は内田被告が両手で押した」という証言とは異なります。一方、殺意については…。

検察側
「落ちたら死ぬかもしれないと分かっていましたか?」

内田被告
「はい」

殺意については…
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検察側
「それは殺意があるということでは?」

内田被告
「今は思います」

検察側
「今は思うんですか」

内田被告
「当時は殺意をもって欄干の上に座らせたり体を押したりしていたわけではないですが、今はそんな危険なこと…危険なことをしていたので、殺意があったんじゃないかと言われても、言われる…のは当然だと思います」

 検察側は内田被告が殺意を持って「落ちろ」「死ねや」などと何度も怒鳴るなどしたことが、殺害の実行行為にあたると指摘。「内田被告は本件の首謀者であり、主犯で最も大きな役割を果たした」と主張しています。

“殺意があったのは一緒にいた女”と証言
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 4日、内田被告は現場に一緒にいた女が「全部ウソ」と証言したことについて「自分を腹立たしく思っていたから」と話しています。

 そのことについて問われると…。

遺族の代理人弁護士
「(一緒にいた女は)何を腹立たしく思っていた?」

内田被告
「本心を聞いたわけではないので分かったわけではありませんが、(一緒にいた女は)橋の上で殺意を持っていたのに私は殺意がなかった。『同じ場所で同じ行動をして同じ場面を見ていたのに私と考えが違うはずがない』と思っていたんだと思います」

 自分ではなく殺意があったのは一緒にいた女のほうだったと話しました。

判決を受け入れる心の準備は?
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 そして、判決を受け入れる心の準備はあるか?と問われると…。

内田被告
「判決の内容によって変わると思います」

 裁判は来週8日に論告求刑が行われ、判決は22日に言い渡される予定です。

(2026年6月5日放送分より)

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