
今、金属の窃盗被害が相次いでいます。盗まれた金属は一体どこへ行くのでしょうか。業者を取材すると“怪しい客”の実態が見えてきました。
買い取り業者“違和感”
金属買い取り業者 天野商店代表
「(持ち込まれたのは)その時は蛇口。蛇口をためて持ってきていた、個人で。身なりだと業者に見えないような」
各地の“買い取り業者”を取材すると、違和感を覚える瞬間が。
都内の買い取り業者
「あまり出回らないような電線を晴れているのにブルーシートで見えないように包んで持ってきた人がいます」
千葉市の買い取り業者
「個人にしては不自然に太い銅線を持ってきたケースがありました。他人の免許証を提示されたこともあります」
神社仏閣で大胆な犯行
静岡県内の神社仏閣で起きた盗難は、あまりにも大胆な犯行でした。
建物を管理する溝口鎮雄さん
「これの左半分。めくられて盗まれている」
奈良時代初めの729年に創建されたと伝わる今瀧寺で先月、建物の屋根が盗まれました。
このお堂、ブルーシートがかけられる以前は、知恵を授けてくれる文殊菩薩(ぼさつ)が祭られていた場所です。
狙われたのは、屋根に使われていた「銅板」です。また、お寺の敷地のすぐ脇、小谷神社の祠(ほこら)でも…。
「100%銅板むしり取られる感じ」
警察によりますと、被害は数百メートル圏内で5件に上り、窃盗事件として捜査しています。
「罰当たりなことだなと、罪深いものだと思う」
静岡県では浜松市でも4つの神社で屋根の銅板が立て続けに盗まれています。
水道メーターの盗難増加
さらに最近、増えているのが水道メーターの盗難です。
大阪府の堺市では、水道メーター49個・14万7000円相当を盗んだとして、60歳の男が逮捕されています。男は「売りさばいていた」ことも認めています。
東京・墨田区の都営アパートでは、水道メーターを盗んだとして逮捕・起訴された60代の男2人が防犯カメラに映っていました。
鈴木力被告
「何度も盗んだ。銅の買い取り店に売ってお金にかえた」
5日、静岡県内の“買い取り業者”に話を聞くと…。
天野商店代表
「これで1キロ2000円以上」
銅の取引価格については、2017年は1キロあたり671円だったのが、現在は2244円と3倍以上に上がっています。
盗まれた金属はどこへ?
盗まれた金属はどこへ行くのでしょうか。
静岡県内で金属の買い取りなどを行う会社でも、「盗品かも」と感じた時があったといいます。
天野商店代表
「蛇口をためて持ってきていた、個人で。身なりだと業者に見えないような。世間話で仕事内容を聞き出してみたり」
ただ、買い取る側が「怪しい」と思っても、「盗まれたものだ」と見抜くのは難しいといいます。
こちらの会社では、過去に盗難品だと気が付かず、買い取ってしまったことがあったそうです。
「その後に警察が来て…」
「盗品」を買わされないために「受付」に防犯カメラを設置し、免許証のコピーや伝票に車のナンバーを控えるなど対策を進めています。
元兵庫県警刑事部長の棚瀬誠氏は、金属を売りさばくための“闇のマーケット”が確立されているとみています。
棚瀬氏
「(犯人は)事前に売りさばく場所を把握。買い取り事業者を把握して金属を窃盗」
これを取り締まるために、6月から新たな法律“金属盗対策法”が施行されました。「銅などの金属」について、買い取り業者に「営業所の届け出」や売りに来た人の本人確認・取引記録の作成などを義務づける法律です。
「本人確認している事業者に持ち込むと、そこから足がつく。もぐりの業者を摘発すれば芋づる式に摘発されるリスクが高まるはず。より捕まりやすい・捕まる環境になっていくことが期待される」
(2026年6月5日放送分より)
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