『国旗損壊罪』処罰対象は…総理“肝いり”今国会提出へ なぜ作る?課題は

『国旗損壊罪』処罰対象は…総理“肝いり”今国会提出へ なぜ作る?課題は
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国会に間もなく提出される見通しとなったのが、日本の国旗を傷つける行為を罰する『国旗損壊罪』をめぐる法案です。

『国旗損壊罪』処罰対象は…総理“肝いり”今国会提出へ なぜ作る?課題は

異論を唱える声は、5日も上がります。

中道改革連合 小川淳也代表
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中道改革連合 小川淳也代表
「このような類の法案に関しては、極めて慎重・懐疑的な立場から、党内論議・国会審議に臨むというのが、基本線だと思ってます」

高市総理の肝いり法案。野党時代の2012年に、一度、国会に提出したものの、廃案となった経緯もある執念の政策です。

2012年
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先の衆院選では、第一声でこう訴えていました。

高市総理(1月)
「14年近く前に書いた法律案も入っています、国旗損壊罪。外国の国旗を汚したり、破ったら、2年、拘禁刑を受けるかもしれない。でも、日本の国旗はどう扱ってもいい。それはやっぱりおかしい。だから量刑をそろえる」

高市総理(1月)
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自民党の部会は、今週、高市総理の主張を盛り込んだ『国旗損壊罪』の創設を大筋で了承していて、日本維新の会との調整を終え次第、議員立法として、国会に提出する方針です。

5年前の高市総理。国旗損壊罪を早期に創設するよう、党に訴えていました。

高市議員(2021年)
「なぜか日本の刑法には、日本国の国旗損壊に何の罰則もありません。諸外国の場合、自国の国旗を損壊したら、かなり重い刑罰が科されます」

一方で、アメリカのように、国旗を燃やすことも表現の自由の一つとされ、処罰する法律は、憲法違反と判断されている国もあります。

しかし、当時の高市総理の認識は。

高市議員(2021年)
「諸外国と比べて、明らかに日本だけが、自国の国旗を尊重してないととられる」

国旗を大切に思う国民感情を保護する
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そして、いま、高市総理の号令のもと、自民党がまとめた法案では「国旗を大切に思う国民感情を保護すること」が、立法目的としてうたわれています。

罪に問われるのは、人に著しく不快な感情を与えるような方法によって、公然と国旗を損壊した場合、2年以下の拘禁刑か20万円以下の罰金を科すことが定められました。ただ、何が“著しく不快な感情”を与える方法なのかは、明確ではありません。

国民民主党 玉木雄一郎代表(2日)
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国民民主党 玉木雄一郎代表(2日)
「罰則をあえて科すわけですよね。拘禁刑まで“科す” となると、何が罰せられて、何が罰せられないか、事前に明確でなければ。それが適用にあたっては、“総合的に勘案してやる”とかね。法執行する警察官とか、大変なのでは」

そもそも日本では、1999年の国旗国歌法制定時に、国旗を損壊した場合の罰則について問われた当時の小渕内閣が、次のような答弁書を閣議決定しています。

国旗国歌法制定
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小渕内閣(1999年)
「国家の威信の保護の在り方として、刑罰をもって強制することが適当かという根本的な問題があることのほか、他人の所有する国旗等の損壊等については、器物損壊罪が適用される」

法案の必要性を疑問視する声は、自民党内からも上がっていますが、一部の野党が賛成に回れば、国旗損壊罪は、会期内に成立する可能性もあります。

外国の国旗を損壊した場合は、その国との友好や外交上の利益を損ねる可能性があるので、罪に問われることがありますが、日本の国旗の場合は、罪に問われないのはおかしいというのが高市総理の基本的な考え方です。自民党は、今回、それを立法化しようとしていますが、日本の国旗を傷つける行為が問題化しているということは聞きませんし、いま立法化しなければならないという喫緊の課題なのでしょうか。

刑法が専門の桃山学院大学・江藤隆之教授に聞きました。

江藤教授は「通常、刑罰をともなう法律を新設する場合というのは、すでにある法律や体制では対処できない“新しい犯罪”や“社会問題”が発生したとき。例えば、2000年に新設された『ストーカー規制法』は、ストーカー被害が問題化し、同様の被害を防ぐ目的で作られた。一方、今回の国旗損壊罪では、現時点で問題化しているものではなく、『国民の感情を保護したい』『将来、損壊されるのを防ぎたい』という抽象的な目的だけで、具体的に何の被害を防止するために作るかわからず、異例の動きである」としています。そのうえで、「具体的な運用を見据えて、細部まで詰められていない印象がある。そもそも刑罰は、国家権力の最も強い行使。どんな行為が刑罰の対象になるのかは、あらかじめ、明確にされていないといけないというのが原則」といいます。

今回の条文案では、処罰の対象となる行為を「日本国旗を人に著しく不快な方法で公然と損壊し、除去し、汚損した場合」 としてますが、江藤教授は「“不快”という基準が不明確。国旗の扱いで何を不快に感じるかは人によって違う。損壊・除去・汚損という部分も、それが、『燃やす』『バツ付ける』『落書き』『汚す』、どんな行為を主に罰するつもりであるかがわからない」と指摘します。

今後、国会でも議論される見通しですが、審議のポイントについて、江藤教授は「大事なのは処罰される行為とは、何なのかを明確にさせること。そのために、今後の国会審議で、具体的な処罰範囲をはっきりさせる必要がある。定義が明確にできないのであれば“刑罰をなくす”といった議論も必要ではないか」といいます。

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