■結婚・出産に後ろ向きな若者たち
議論はさらに、単身者と子育て世帯との心理的分断や、SNSがもたらす影響へと波及した。フリーアナウンサー・柴田阿弥氏は、両者の対立を避ける重要性を強調し、若者の価値観に言及した。
「単身者と子育て世帯が対立しないようにすることが一番大事。社会保障の負担が重いため、改革に取り組まないと、結婚してもやっていけるだけの収入が得られないと怖くなってしまう。友人からは『仕事と子育ての両立は大変すぎて無理。専業主婦になりたい』という声も聞く。これまでの支援は共働き世帯を想定したものが多かったが、子育てに集中したい層へも目を向けるべきだったのではないか」。
17年間の専業主婦期間を経て47歳でキャリアに復帰したSEKAIA株式会社CEO・薄井シンシア氏は、自身の経験から時間軸の捉え方を指摘した。「人生は長くなったが子どもを生める期間は変わらない。10年寿命が伸びたなら、その10年を使って先に子どもを生んでおいて、その後にゆっくりキャリアを築けばいい。十分な時間はある。SNSではネガティブな情報ばかりがバズるが、私自身は子育てが最高に幸せだった。そうしたポジティブな声を発信する人がいないことが残念だ」。
EXIT・兼近大樹は、独身を続けることへの危機感と社会の分断に対する葛藤を語った。 「子どもがいなくても回せる社会なら独身でもいいが、自分がどれだけお金を持っていようが社会が回らなければただの『ゴミを集めているだけの日々』になる。結局、僕らは誰かが生んだ子どもに助けられて生きている。その危機感を一人ひとりが持ち、みんなで支えようと思えるようになる必要がある。一方で、賢い人ほどSNSなどでマイナス面ばかりを見て、大人の見栄や計算で子どもを作らない選択をしており、分断が進んでしまっている」。
番組終盤、山田氏は学生とのやり取りを引き合いに出し、若者が直面している現実的な課題を整理した。
「学生から『恋愛感情は2年で冷めるから結婚で重要なのはお金』『男性も正社員の女性と結婚しないと東京にマンションを持てない』と言われ、衝撃を受けている。今は男性間でも格差が大きく、東京では正社員同士の共働きで稼げる層が子どもを生む一方、地方では育児休業などのないパートや自営業が多く、低所得層が結婚相手に選ばれにくい現状が問題だ。また、自分の子どもに惨めな思いをさせたくないから子どもを少なくする、あるいはそもそも結婚しないという心理が強く働いており、それだけの収入を夫婦で稼げたら子どもを生もうという発想になっている」。
さらに、若者の間で早期リタイア(FIRE)を希望する年齢が年々若返っているデータや、努力しても認めてもらえないという無気力感も浮き彫りとなった。山田氏は「最近の学生は、早期リタイアも含めて働かなくて済むなら働きたくないという人が増えている。職場で努力しても報われない、自分がやったことは認めてもらえないと感じており、大変さに見合わないと考えている」 と指摘していた。
(『ABEMA Prime』より)

