現地時間11日のサッカーワールドカップ開幕に向けて、日本代表の特集です。8日は、エースストライカーの上田綺世選手(27)。鹿島アントラーズの先輩でもある内田篤人さんが話を聞きました。
今季の得点量産の理由は
内田さん
「上田綺世=日本代表。フォワードはチームの顔。フォワードがどれだけすごいか=チームの戦力。彼が背負っているものは非常に大きい」
上田選手は代表戦通算16ゴール。前回のワールドカップ後、最もゴールを決めているストライカーです。
オランダ・フェイエノールトに所属して3年目の今シーズン。25ゴールを挙げ、日本人初のオランダリーグ得点王に輝きました。
しかし、最初の2年は1桁得点にとどまり、満足のいく結果を残せず。今シーズン、なぜこんなにゴールを量産できるようになったのでしょうか?
上田選手
「プレーの幅はすごく広げてきている。ある程度、何を要求されても、それに応じてプレーできる」
「(Q.どういうことを要求されている?)フェイエノールトに来て、1トップというポジションを任されて、ポストプレーを要求され続けて」
ポストプレーとは、ゴールに背中を向けてパスを受け、味方につなぐ。周りを生かし、攻撃の起点となるプレーのことです。
上田選手のポジションは、日本代表でもフェイエノールトでも得点が期待される1トップ。フェイエノールトで求められたのは周りを生かすポストプレー。これが得点量産の大きなポイントになったといいます。
上田選手
「元々、ポストプレーは嫌いというか苦手だった。特に鹿島アントラーズ時代は、基本的には裏に抜けてシュート。簡単に言うと、20年近くゴールに直結する動きのフォワードでやってきたのを1回置いて、1年間、ポストプレーの筋トレをした」
「(Q.どういうトレーニングをするの?)僕は実戦派というか、ひたすらトライアンドエラー」
強い相手に負けぬ“工夫”
ゴールを狙うだけでなく、ポストプレーをひたすら特訓。トライアンドエラーを繰り返す中で、フィジカルが強い相手と対峙しても負けない、ある工夫を見いだしたといいます。
上田選手
「フィジカルよりもタイミングが大事。一番大事にしているのは、味方が蹴る瞬間まで相手の前に入らない」
その工夫が発揮されたのが2025年3月、日本代表でのバーレーン戦のプレー。フィジカルが強い相手を背負いながらトラップし、攻撃の起点に。上田選手のポストプレーからチャンスが生まれたシーンです。
上田選手が大事にしているのが、味方がボールを蹴る瞬間。相手の前には入っていません。そして、味方がボールを蹴った直後、相手の前に入っていたのです。
上田選手
「味方が蹴る前に相手の前に入ると、ピタッとつかれちゃう。横並びだと、相手はボールと自分を同時に見られないから、背後などケアしなくてはいけない」
内田さん
「守る側からすると、前にいてくれた方が駆け引きができるけど、ギリギリまで前にいないと、守る側はできることが少ない」
ポストプレーが得点量産に
パスが出た瞬間、ボールの落下地点を予測しながら、相手の位置を瞬時に把握。タイミングよく前に入ることで相手を止める!
こうしたポジショニングとタイミングの工夫によって、フィジカルが強い相手に対してもポストプレーができるようになりました。
上田選手
「(Q.ポストプレーができると、他の選手にどういうメリットが生まれる?)中盤の選手がより良い状態で前を向いてプレーできる。一気にチーム全体が押し上がる。攻め上がることができるのがメリット」
周りを生かすポストプレーという武器を手に入れた上田選手。それは自らゴールを奪うことと相反するプレーですが、この武器があるからこそ、今シーズンのゴールラッシュにつながりました。
上田選手
「ポストプレーができることによって、逆にそれを利用できる。ポストプレーを嫌がるセンターバックが出てきて、背後に走れたりとか、自分が元々持っていた武器も生かせるシーンが増えた」
ポストプレーを習得したことで、相手は上田選手のポストプレーを警戒するように。上田選手はその逆を突き裏のスペースに抜け出すなど、もともと得意とするプレーにつなげやすくなったのです。
こうして、日本人初のオランダリーグ得点王が誕生しました。
内田さん
「点を取るポジションなので、チームとしてはめちゃくちゃ大事。フォワードがポストプレーも何でもできるチームはもちろん強い。上田選手としてのクオリティーがどんどん上がっている。日本代表もどんどん強くなっている」
日本の初戦はオランダ
鹿島アントラーズの先輩・内田さんの心強い言葉でした。
大越健介キャスター
「オランダリーグの得点王ですから。日本の初戦がオランダ。この試合、オランダの人たちもきっと注目しています。上田選手だということで」
オランダで習得したポストプレーを生かしてゴールを決めてほしいと思います。
(2026年6月8日放送分より)
