
FIFAワールドカップ2026。日本時間15日朝、日本代表は初戦を迎えた。格上のオランダ相手に2度追いつき、2対2で引き分け、貴重な勝ち点1を獲得した。
強豪オランダに執念の引き分け
劇的な展開で同点に追いついた。
FIFAランクでいうと日本が18位に対し、オランダは8位で、ランキング上、格上となる。
前半は0対0で折り返したが、先制点はオランダ。セットプレーの流れからファンダイク選手が決めた。
中村敬斗選手(25)が、その後7分後にワールドカップデビュー戦で同点ゴールを決めて1対1。ただ、オランダはその後すぐにサマーフィル選手が返してなかなかここから均衡が追いつけない状態になり、後半の44分、コーナーキックから最終的には鎌田大地選手(29)が得点者となって2対2の同点となった。
森保一監督(57)は試合後、このように話した。
「選手が2回リードされてもあきらめず、一丸となってタフに戦い抜くことを実践してくれた」
「会場に来てくれた日本人のサポーターや、日本から応援してくれたサポーターの皆さんの念が選手たちを動かしてくれたと思う」
選手支える“精神的支柱”
日本代表は、オランダ戦直前にキャプテンの遠藤航選手(33)が離脱するという逆境に立たされた。板倉滉新キャプテン(29)をはじめとする日本代表を、そうそうたるメンバーが支えている。
1998年フランス大会に出場し、当時の背番号10番を着けていた名波浩さん(53)、ドイツ大会と南アフリカ大会に出場し、「黄金の左足」といわれたフリーキックの名手・中村俊輔さん(47)、そして南アフリカ大会から3大会連続でキャプテンとして出場した長谷部誠さん(42)だ。
特に長谷部さんは、大会直前でキャプテンに就任する経験を2010年にしている。板倉選手にも同じ経験を本人にも伝えたという。
さらに、前回大会でキャプテンを務めた吉田麻也選手(37)が、「サポートプレーヤー」としてチームに帯同している。また、左ひざのけがでメンバー入りできなかった南野拓実選手(31)も、「メンター」としてチームに帯同している。
複数のルール変更の影響は
今回のワールドカップでは新たなルールが複数導入された。そのことが試合の行方を左右するかもしれない。
いずれも導入の目的は、プレー時間の密度向上だという。1つ目が、スローインとゴールキックだ。主審が遅延行為と判断してから5秒のカウントダウンを始める。これを過ぎると、スローインの場合はそれが相手のスローインに変わる。ゴールキックの場合には相手のコーナーキックに変わるという判定になる。
そして、選手交代は「10秒以内」に速やかに行う。選手交代をする際に交代を掲示した後、10秒以内にその選手がピッチの外に出なければならない。違反すると、入ってくる選手は少なくとも60秒間ピッチに入ることができず、この1分間は10人で戦わなくてはいけないというルールだ。
さらに「ハイドレーションブレイク(給水タイム)」もある。前後半それぞれ22分ごろに3分間の給水タイムが取られているということで、水分補給はもちろん、この時間で選手が戦術を確認し、かなり戦い方も変わってくる。
「レガシーパッチ」長友に
今大会では一部選手のユニホームに特別な「パッチ」が付けられるという。
「パッチ」とは、ユニホームの袖などに付けられるワッペンのことだが、FIFAは今月4日、今回のワールドカップでは一部選手のユニフォームに選手個人の功績をたたえる「パッチ」を付けると発表した。
ワールドカップ初出場の選手には「FIFAワールドカップデビューパッチ」が付けられるほか、5大会以上でメンバー入りした選手のユニフォームには「レガシーパッチ」が贈られるという。
具体的には、史上最多6大会連続出場のポルトガルのクリスティアーノ・ロナウド選手(41)のほか、アルゼンチンのメッシ選手(38)。
5大会連続出場の日本の長友佑都選手(39)のユニホームにも付けられる予定だという。
北アフリカの強豪
サッカー日本代表が次に対戦するチュニジアとはどのようなチームか?
チュニジア代表は「カルタゴの鷲(わし)」の愛称で呼ばれているチームだ。「カルタゴ」とは紀元前にチュニジアの地で栄えた古代国家の名前で、地中海で「力」や「勝利」などの象徴とされる「鷲」を掛け合わせたもの。
FIFAランキングは45位で、ワールドカップは3大会連続、7回目の出場で、グループステージを突破したことはない。対戦成績は日本とは5勝1敗で、日本のほうがデータ的には勝ち越していることになる。
ただ、アフリカ予選では9勝1分けで負けなし。しかも22得点無失点で、守備力が非常に高いチームである。
このチュニジア戦に向けて、テレビ朝日サッカー解説・松木安太郎さんが注目している選手が、キャプテンのエリス・スキリ選手(31)だ。名門のドイツのフランクフルト所属で、堂安律選手(27)とチームメイトとなる。
松木さんによると、この選手は試合中の走行距離が長く「ランニングマン」と称されるほどの圧倒的な運動量があり、対人守備能力にもたけているということだ。
鉄壁の代表に異変?
そんなチュニジア代表だが、チーム内の亀裂を指摘する情報も出ている。現地メディアは「内部崩壊しているのでは?」とも報じている。
チュニジアは、アフリカ予選後の去年12月から今年1月にかけて行われたアフリカ・ナンバーワンを決める「アフリカネイションズカップ」に出場したが、ベスト16で敗退してしまう。それまでチュニジアを率いていたサミ・トラベルシ監督(当時)らスタッフ陣を電撃解任した。
そして、後任にサブリ・ラムシ監督が就任したが、その後の成績は1勝2敗1分と低迷している。
ワールドカップ直前の6日に行われたベルギーとの親善試合では、0対5と大敗し、大会を前に不安が残る結果となった。
この状況に現地メディアは「チームがこれほど崩壊するのは内部状態が健全ではない証拠だ」と報じていて、ベンチスタートに不満を持つ選手や、多くの出場時間を求める選手がいるなど、監督と一部の主力選手の間で緊張が高まっているシーンもあるという。
(2026年6月15日放送分より)
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