
トランプ大統領の80歳の誕生日に合わせるように発表されたのは、イランとの停戦合意でした。これで“本当の停戦”となっていくのでしょうか。
誕生日と建国250周年の特別イベント
日本時間15日午前9時半ごろ、トランプ大統領の姿はホワイトハウスのバルコニーにありました。
80歳の誕生日を迎えたのです。
階段を降り、群衆の中を進んでいった先にあったのは、金網に囲まれた八角形のリング。総合格闘技団体「UFC」の試合会場、オクタゴンです。
さまざまな式典や行事が行われてきたホワイトハウスの南庭に設営されました。
トランプ大統領の誕生日、そしてアメリカ建国250周年の記念の一環として、ホワイトハウスで「UFC」の特別イベントが開催されたのです。
イベントは日本時間午後2時すぎ、現地の深夜午前1時すぎまで続きました。
米イランが和平合意
そして、これも誕生日に合わせたのでしょうか。
CNNキャスター オマー・ヒメネス氏
「速報です。パキスタンの首相がアメリカとイランとの間の和平合意が成立したと発表しました」
アメリカとイランとの間の和平合意。パキスタンのシャリフ首相がSNSに投稿したのは、日本時間午前6時15分です。
シャリフ首相のSNSから
「アメリカとイランの和平合意が成立したことを、ここに喜んで発表する」
CNN ニック・ロバートソン氏
「シャリフ首相によると、公式な署名式は金曜日にスイスで行われます」
さらに、そのおよそ15分後にはトランプ大統領も。
トランプ大統領のSNSから 日本時間午前6時29分
「イランとの合意が今、完了した。おめでとう!ホルムズ海峡の完全かつ無料の通航を正式に承認するとともに、アメリカ海軍による封鎖の即時解除も承認する。世界の船舶よ、エンジンを始動させよ。石油を流通させよう!」
トランプ大統領は、これまで何度も「合意は近い」と繰り返してきました。ただ、今回はイラン側からもアメリカとの覚書の内容が最終決定したと発表されました。
イラン国営テレビ キャスター
「アメリカは、イランおよび抵抗戦線との戦争を終わらせるための覚書への署名を余儀なくされました」
今回はこれまでと何が違うのでしょうか。
慶應義塾大学 田中浩一郎教授
「イラン側はここ最近、特に合意に同意する、署名するにあたって、凍結資産の一部解除、引き渡しを行うよう要求していた節があります。イランの要求通りかどうかはともかく、少なくとも若干アメリカ側あるいはトランプ大統領側が折れたんだと、そのように見ています」
明海大学 小谷哲男教授
「今回の覚書は、あくまで合意から60日間、細かい点について協議を続けることなので、細かいことが定められているわけではない。少なくともホルムズ海峡が無料で開放されるということ、イランが実際に停戦を守り協議に真摯に応じるという条件で、制裁の緩和あるいは凍結資産の解除、これを行うということ。先にイラン側が何かしら金銭的な見返りを得ることがないと確認したことが一番重要なポイントだと思う」
アメリカ側が得たものはあるのでしょうか。
小谷教授
「今回の覚書でアメリカが勝ち取ったものは基本的にないと思います。唯一あるとすれば、60%まで濃縮されている高濃縮ウラン。おそらくイラン国内で希釈し解体することをイランが合意した点。それ以外は(攻撃を始めた)2月28日以前に戻るだけ」
田中教授
「アメリカ側が一番こだわるのはウラン濃縮の話。イラン側が要求している権利として、頑として動くつもりがないところまで踏み込んで、アメリカ側が何かを勝ち取ることができるのかが大いに疑問」
本当に停戦?
正式な署名が行われるのは19日。まだ数日残す中、懸念もあります。
小谷教授
「イスラエルの姿勢は、常に大きな阻害要因だと思います」
田中教授
「イスラエル側の妨害工作などがあっても、何ら不思議ではない」
パキスタンのシャリフ首相は、レバノンを含むすべての戦線における戦闘停止でアメリカとイランが合意したと発表しています。
和平で合意したという発表を受け、レバノンでは避難所に身を寄せていた人々が喜びを分かち合いました。
ただ、発表当日の14日も、イスラエルは親イランの武装組織ヒズボラを狙ったものとしてレバノンへの攻撃を実施しています。
避難していた男性
「これは破壊だ、犯罪だ。彼らがやっていることは犯罪だ。とても言葉では言い表せない」
トランプ大統領は、その14日に行われたニューヨーク・タイムズとのインタビューで、イスラエルのネタニヤフ首相について「とても扱いづらい人物」だと非難しています。
田中教授
「イスラエルがアメリカのトランプ大統領の意向も無視して独自の動きを示していますし、今後もそれは変わらないと思います。場合によってはそれが合意自体を破るような格好になるかもしれませんし、あるいはイランに合意を破らせるように促す行動をイスラエルが仕掛けてくる可能性も大いにあります」
小谷教授
「19日に調印できたとしても、その後60日間交渉が続くので、その間もイスラエルがレバノンに攻撃などをすることは十分考えられる。トランプ大統領がどこまでネタニヤフ首相を抑えられるかということにかかってくる」
(2026年6月15日放送分より)
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