
中東情勢の影響で物価が想定以上に上振れするのを防ぐため、日銀は16日、政策金利を1.0%程度に引き上げる見通しです。ただ、その直前に植田和男総裁が入院し、“総裁不在”で判断を迎える異例の事態となっています。
日本銀行法の下で初めてのこと
会社員(40代)
「住宅ローンとかが上がると、困るかなと思います」
15日から2日間の日程で開かれている日銀の金融政策決定会合。
現在の政策金利は0.75%ですが、「現状維持」か「利上げ」するかは、総裁と2人の副総裁、6人の審議委員による「多数決」で決定します。
かつて日銀の審議委員をしていた野村総研の木内登英氏によると今回、とても“異例なこと”が起きているといいます。
「総裁が決議に参加しないということ。これは日本銀行法の下で初めてのことになります」
日銀は10日、植田総裁が病気の治療のため入院したと発表しました。
そのため、金融政策を決める投票には参加せず、決定会合の議長は氷見野良三副総裁が、会合後の記者会見は内田眞一副総裁が務めます。
“異変”は、それだけではありません。
審議委員の意向が政策に?
決定会合では通常、議長である「総裁」が議論を主導し、政策を提案して多数決します。
前回4月の会合での決定文です。執行部から出た「現状維持」の提案に対し、「利上げ」を訴える審議委員3人が「反対」に回りました。さらに…。
日本銀行 増一行審議委員
「できる限り早い段階での利上げが望ましい」(先月14日の講演)
別の審議委員2人が、早期の利上げに前向きな発言をしました。
つまり、欠席する植田総裁以外の8人の投票メンバーのうち5人が「利上げ」に賛成した場合、執行部が「現状維持」を提案したとしても、執行部ではない審議委員の意見によって、多数決で「利上げ」が決まってしまう可能性があるのです。
そうした状況を見越してなのでしょうか、新聞各社は先週、相次いで「日銀が利上げへ」という観測記事を出しました。
木内氏も今後は、審議委員たちの意向が政策に与える影響に気をつける必要があると言います。
「いわゆる『非執行部』の審議委員が、利上げに前向きな姿勢がしばらく続くとすると、6月に利上げしたとしても、その次の利上げは、比較的短い間隔で行われる可能性が高いのかなと思います」
(2026年6月16日放送分より)
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