
愛媛県が20年近くかけて開発した高級柑橘(かんきつ)「紅プリンセス」とみられる果物が、中国の通販サイトで販売されていることが分かりました。愛媛県の中村時広知事が、15日、会見で憤りを口にしました。
【画像】「シャインマスカット」の中国流出では年間100億円以上の損失
期待の柑橘類に“怪しい影”が…
中村知事
「正直言って悔しいです。職員たちが十数年の月日をかけて、失敗も繰り返しながら到達した最高品種」
見た目は、しずく型で鮮やかなオレンジ色。口に入れるとみずみずしく、ジューシーな味わい。愛媛県産の柑橘類「紅プリンセス」です。
ゼリーのような食感の「紅まどんな」と濃厚な甘みが特徴の「甘平」をかけあわせた高級品種で、1キロ1000円ほどします。
品種登録までおよそ17年かけて開発され、去年から本格販売されている愛媛県オリジナルの品種です。そんな期待の柑橘類に、怪しい影が…。
「紅プリンセス」は、愛媛県以外での生産が認められていませんが、8億人以上が利用しているとも言われる中国の大手通販サイト「タオバオ」に果実の写真が並んでいます。しかも、果実だけではありません。
売られていたのは、紅プリンセスの「苗木」です。
サイトには「どの苗の規格でもあります」「現地で掘りたてをすぐに売ります」といった言葉も。
「紅プリンセス」を栽培する農家は困惑しています。
清水果樹園 清水雄矢さん
「(紅プリンセスは)とてもワクワクする、本当にすごい品種なので作り手としては悔しいの一言です。これからという品種なので、本当になかなか問題です」
「枝を切られた可能性」
中国では入手できないはずの「紅プリンセス」が、なぜ大手通販サイトで売られているのでしょうか。
愛媛県によると、「紅プリンセス」の苗を手に入れるためには、県が許諾している販売業者を介して生産者から同意書をもらう仕組みになっているため、誰でも購入できるわけではないといいます。
清水さんによると、枝を切って持っていかれている可能性もあるといいます。
「苗木だったら、小さい状態から最低3年かからないと実ができないが、新しい品種の枝をさして、接いだその次の年にはもう実がとれるようになる。20センチぐらいの枝があれば接ぎ木はできるので、(知らないうちに)枝を切られて持っていかれても分からない」
日本で開発された品種が、中国に流出した事例は過去にも。2016年ごろから高級ブドウの代名詞「シャインマスカット」が中国に流出。農林水産省は年間100億円以上の損失が発生しているとみています。
今後の対応について中村知事は、「国や関係機関と連携しながら、実態把握に協力しながら努めていきたい」と話しています。
(2026年6月16日放送分より)
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