
トランプ大統領が16日未明にフランスで開幕したG7サミットに出席し、イランとの戦闘終結に向けた「覚書」について、両国の間ですでに署名されたと明らかにしました。
G7で成果をアピール
G7サミット出席のため、フランス・エビアンを訪れたトランプ大統領。マクロン大統領夫妻が待つフォトセッション会場に、一番最初に現れました。
3人で記念撮影。その後、トランプ大統領を次の場所に送り出そうとするマクロン大統領。しかし、トランプ大統領は夫人の手を握ったまま、その場から離れようとしません。そして、ようやく「サンキュー」と言い、去りました。
これに先立ち、マクロン大統領との会談の席では、イランとの「合意」の成果をアピール。
トランプ大統領
「今回の署名についてとてもうれしく思っている。合意文書には、すべて署名された」
アメリカ政府高官によると、「覚書」にはアメリカ側はトランプ大統領とバンス副大統領が、イラン側はガリバフ国会議長が署名したといい、その詳細は今後48時間以内に公表される見通しです。
トランプ大統領
「彼らが核兵器を持つことはない。そこが非常に重要なところだ。私たちは素晴らしい仕事をしてきた。良い関係になることを望んでいるが、もしそうならなければ、私たちはまた最初の段階に立ち戻ることになる。でも、その必要性はないことを私は望む」
その後行われたワーキングディナーでは、トランプ大統領がマクロン大統領の右側に座り、再び会話を交わす様子が見られました。
土壇場で米国が譲歩か
アメリカとイスラエルがイラン攻撃を始めて約3カ月半。
CNNニュース
「速報です。パキスタン首相が米国とイランの間で和平合意が成立したと語りました」
一時、交渉が頓挫する可能性も懸念されていた中での和平合意成立の一報。イランとアメリカが戦闘終結に向け最終調整を続ける中、イスラエルはレバノンへの攻撃の手を緩めることはありませんでした。
合意直前となった14日には、レバノンの首都・ベイルート南部を攻撃。これにはトランプ大統領もイスラエルの攻撃に苦言。
トランプ大統領のTruth Socialから
「けさ、ベイルートで起きた攻撃は、イランとの和平合意が目前に迫っているこの特別な日に、決してあってはならないことだった」(14日投稿)
さらに、ニューヨーク・タイムズ(14日)の電話取材に対し、イスラエルのネタニヤフ首相を「非常にやっかいな男だ」と批判しました。
イランメディアによると、イラン側はイスラエルに報復の準備をしていましたが、トランプ大統領からレバノンでの戦闘終結やアメリカによる海上封鎖の即時解除などを合意の条件に加える、と提示され、攻撃を見送ったと伝えています。
イラン側は合意成立発表の「約1時間前まで交渉が続いていた」と明らかにしていて、まさに“土壇場でトランプ大統領が譲歩した”形です。
署名はスイスで
イラン国営テレビで放送されたアラグチ外相の会合での発言は、次のようなものだったといいます。
アラグチ外相の発言
「イラン国民はこれらの戦いにおいて戦場での勝利に加え、世界の方程式を変えるほどの大きな戦略的成果を手にした」
正式な署名は19日、スイス・ジュネーブで行われる予定で、FOXニュース(15日)の電話取材に対し、バンス副大統領は「署名式典にトランプ大統領が行く可能性もある」と話しています。
イスラエルのベングビール国家安全保障相は、Xに次のような投稿を行っています。
「トランプ大統領の合意は我々を拘束するものではない。イスラエルはアメリカに従属する国ではない。我々は独立した主権国家である。我々はこの合意のパートナーではないし、我々の安全保障を保証するものではない。我々は、我が国の戦闘員が占領した(レバノンの)領土から撤退してはならない」
ホルムズ海峡の船舶に動き
一方、世界が期待しているのが、ホルムズ海峡の再開です。
「マリントラフィック」のデータを使って、ホルムズ海峡の船舶の状況を分析している東京大学大学院・情報学環の渡邉英徳教授によると、異変があったのは和平合意成立が報じられた直後でした。
渡邉教授
「今回の合意形成が発表される直前、ここを見ておいていただきたいんですが、今、船がまばらにいますが、ちょうど合意についての報道が始まるぐらいのタイミングで、ブワッと船が増えてくるんです」
イランやアメリカ以外のタンカーや貨物船などが攻撃されることもあったホルムズ海峡。
「つまり、安全が保証されていないので、自分はここにいるということを示さずに、実際に船はいるんだけど、信号を出していない状況がずっと続いていたんですが、それがこの合意形成の発表の後で、これで一安心ということで、バッと増えてきている」
さらに…。
「ここで一隻、ここ。今、ホルムズ海峡に向けて近づいている船があります。『DISHA』というふうに書いてありますね」
これは15日午前9時ごろ。合意成立の報道があって、およそ2時間半後のことです。
「信号も切らずに、ずっと(位置情報の)スイッチをオンにしたままで、ホルムズ海峡を通過して、もうここまで来ていますね。こういう信号をオンにしたままでホルムズ海峡を通過する船って、ここのところにいなかったので、本当に久しぶりの例なのと、もう一つ大事な点があるんですが、この『DISHA』という船ですね、カタールを出港していて、行き先がアメリカです」
この船の船籍はインドで、イラン側からホルムズ海峡通過を許されている船です。
わざわざ「アメリカ行き」というリスクを高める情報を公開する必要はありません。
「イランから見れば、敵国に荷物を運ぼうとしている船。それが堂々と、アメリカ行きということを示したままでホルムズ海峡を通過した。当事者国に向かう船が、しかも、イランの革命防衛隊の妨害も受けずに、通過していったっていうのは、すごいですね」
誕生日めぐる駆け引きも
和平合意成立が発表された14日、80歳の誕生日を迎えたトランプ大統領。
アメリカ建国250周年記念の一環として、総合格闘技の特別イベントを開催し、盛大なバースデーパーティーを開きました。
その前日から「14日に署名される予定だ」とSNSに投稿。誕生日に合意することにこだわっていたのでしょうか。
一方、もともと14日の署名を否定していたイラン側。
ニューヨーク・タイムズによると、イラン側はトランプ大統領の誕生日と重なることを避けるため、イランの現地時間の15日未明になってから、合意を最終決定したといいます。
イラン革命防衛隊はテレグラムに投稿。タイトルは…。
イラン革命防衛隊はテレグラムから
「トランプ氏が『運命の日曜日』と位置付けた日にも、合意文書への署名は行われなかった」
日本時間午前1時ごろの米仏首脳会談。
トランプ大統領
「ホルムズ海峡はすでに一部開通し、機雷のいくつかは発見されている。基本的に航行はすでに始まっており、金曜日には完全に開通するだろう」
(2026年6月16日放送分より)
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