
見頃を迎えた京都「三千院」の去年の様子です。一面に広がるアジサイが今年はほとんど花がありません。何者かによって切り取られてしまったということですが、一体、誰が何のために…。
名所アジサイが“バッサリ”
京都の藤森神社では、境内を鮮やかに彩るアジサイが見頃を迎えています。
観光客
「色んな種類のアジサイがあって、すごく癒やされた」
アジサイまつりが開催されている今の時期は、境内に植えられたおよそ3500株のアジサイを求めて、多くの観光客が訪れます。
“東洋の宝石箱”と呼ばれる美しい庭園が人気の三千院。こちらでも、アジサイまつりが開催中ですが、今“異変”が起きていました。
三千院 総務部 園部宏人課長
「こちら一帯が三千院の『あじさい苑』。2~3割しか咲いていない」
本来は辺り一面を鮮やかな青で埋め尽くしますが、17日はほんの一部しか咲いていません。
なぜ、本来咲いているはずのアジサイが咲いていないのか。茎の部分を見てみると…。
「アジサイが咲いていない所は、すべて茎の部分が切れてしまっている」
境内にはおよそ1000株のアジサイが植えられていますが、そのほとんどが茎をチョッキリ切られていました。
札幌からの観光客
「アジサイを想像して来たから、ちょっと寂しい」
現在、アジサイまつりを開催しているものの、臨時バスの運行を中止する事態に。
園部課長
「皆さんに『今回こんな状況』と報告に至ったのは初めて」
遠く離れた長野県でも、同じようにアジサイだけが狙われました。
あじさい寺 高源院 江澤遠大住職
「もう端からアジサイの株、頭をちょん切られてしまって…。結構深刻」
被害直後に撮影されたアジサイの茎です。まるでハサミで切ったかのような跡となっています。
「(本来は)たくさん花をつけていて、参道全体がとてもにぎやかな感じだったが、株全体に被害が及んでしまうと、もうアジサイ自体がもう弱くなってしまって、小さくなってしまう」
なぜアジサイ狙う?
各地で相次ぐ“アジサイの切断被害”。三千院には思い当たる節があるといいます。
園部課長
「やっぱり頭が良いんでしょうね」
一体、誰がこんなことを。
「アジサイチョッキリというゾウムシの一種」
アジサイを切っていたのは、“アジサイチョッキリ”と呼ばれるゾウムシの一種。「シロオビアカアシナガゾウムシ」です。
「この時期にアジサイを好んで、茎の部分をチョッキリと切り落とし、そこに産卵する」
なぜ、わざわざアジサイを狙って切るのでしょうか。
ゾウムシに詳しい 東京農業大学 小島弘昭教授
「(アジサイは)産卵して幼虫が食べられる。おそらくその幼虫が食べやすいように、植物を弱らせているのかと思う」
アジサイチョッキリにとって、アジサイは餌(えさ)として食べるのに適した植物だといいます。
「切られた跡の茎に傷が残る。その部分は切ったほうがいい。その中で幼虫が育って、また増えたりする」
三千院では、“アジサイチョッキリ”に切られた跡は、すべて剪定(せんてい)し対策しています。
園部課長
「ゾウムシも生きている。アジサイも木々も私たちも同じように生きている。だから生きるためには命をいただかなければならない。来年以降は努力を重ねて、『来て良かった』と思われるあじさい苑を目指していきたい」
(2026年6月17日放送分より)
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