
スイスのリゾート地で19日、アメリカとイランによる覚書の署名式が行われることになりました。恒久的な戦闘終結に向けて双方が合意した覚書、その草案の全文がアメリカメディアに報じられました。
早くもホルムズ海峡に“変化”米イラン『覚書』草案の全文 復興に“48兆円基金”も
イラン復興に“48兆円基金”
G7首脳会議の最終日。トランプ大統領は1時間の遅刻です。
アメリカ トランプ大統領
「私がボスだ」
ようやくこぎつけたイランとの合意について…。
アメリカ トランプ大統領
「『イランは決して核兵器を保有しない』そう明記している。購入も開発もない。核兵器の保有はない。私の要求は99.9%がこれだった。海峡は通航料なしで開放される」
(Q.覚書をもとに第2段階はどうなる)
「分からないが60日ほどの期間だ。ほぼ予定どおりに進むだろう。イランもカタをつけたいはずだ」
G7首脳らも共同声明で合意を歓迎しました。
G7首脳の声明
「トランプ大統領が締結した覚書に続く、地域全体の平和と安全をもたらす実効的、包括的な外交合意の締結を強く支持する」
その合意の中身について、ブルームバーグは草案を入手。14項目にわたる全文を公開しました。
この通りに進めば、イランはホルムズ海峡の封鎖解除と核兵器を開発しないことを確約。その見返りに、原油販売の即時再開や3000億ドル=約48兆円規模の開発基金、さらには凍結された資産への将来的なアクセスなどを手にします。
この48兆円規模という基金。ロイター通信は、関係者の話として民間投資の枠組みだと伝えました。製油施設や空港など被害を受けたインフラの復興を目的とし、日本や韓国、アメリカの企業が出資を約束したということです。
CNNは複数のアメリカ当局者の話としてこう伝えています。
CNN
「合意文書は“極めて曖昧”で、その目的は主に今後予定される高度に技術的な対面協議に適した環境を整えることにある。イランが国民に対して合意を政治的に売り込めるようにすることが狙いだ」
ホルムズ海峡早くも“変化”
ホルムズ海峡には変化が表れています。
東京大学大学院 渡邉英徳教授
「ここの3隻はイランのタンカーです。オレンジ色のバーは“制裁対象”の船を示してます」
東京大学大学院 渡邉英徳教授
(Q.『サンクションズ=制裁』と書かれてますね)
「アメリカが制裁対象とする原油タンカー。イラン産の原油を積んだ船がアメリカの封鎖線を突破し他国へ」
東京大学大学院 渡邉英徳教授
(Q.日本に関連したタンカーの動きは)
「ペルシャ湾の真ん中あたりに日本のタンカーが集まっていました。『テンザン』は日本の船ですが、こっちに近寄ってきてます。ホルムズ海峡の本格的な再開に向けて、ドバイ沖で補給とメンテナンスのために向かってきたと考えられます」
イスラエル 合意の“不確定要素”に
高まる期待の裏で、不確定要素はイスラエルです。親イラン組織ヒズボラを標的としてレバノンへの攻撃を続けています。
AP通信 バーセム・ムルウェ記者
「数分前も銃砲やミサイルの音があり、市民は停戦を確信できません。“金曜の署名式を待つ”と話しています」
合意内容にはレバノンへの攻撃を中止し、占領をやめることも入っています。イランはこう警告します。
イラン アラグチ外相
「レバノンでの戦闘終結は切り離すことのできない要素だ。レバノン侵攻と占領の継続は『覚書の違反』とみなされる」
当のトランプ大統領も公に苦言を呈しました。
アメリカ トランプ大統領
「イスラエルは戦争を長引かせすぎで犠牲者も多い。1人の戦闘員のために1つの建物をいちいち破壊するが、アパートにはヒズボラ以外の住民もいる」
本格交渉は、喜劇王チャップリンも愛したスイス中部の山岳リゾートで19日から始まる予定です。
