憲法改正と言うけど…中身知ってる?「戦争を永久に棄てましてん」大阪おばちゃん語訳で読む「憲法9条」 法学者・谷口真由美氏が語る“主語を私にする”憲法の読み方

わたしとニュース
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■大阪おばちゃん語で読み解く「憲法9条」と「11条」

 では、実際に憲法にはどんな事が書いてあるのか。憲法9条には…。

「第2章 戦争の放棄」

第9条〔戦争の放棄と戦力及び交戦権の否認〕

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。 国の交戦権は、これを認めない。

 これを谷口氏が考案した「大阪おばちゃん語」にすると…。

「大阪おばちゃん語訳」

1 日本国民は、正義と秩序でなりたってる国際平和を心底大事やと思って追い求めていくで。 国とか政府が権限ふりかざして戦争はじめたり、武力つかって威嚇したり武力つこたりするっちゅうのは、世界のもめごとを解決するためには永久に棄てましてん。

2 ほんで、さっきの戦争を永久に棄てましてんっていう目的を達成するためには、軍隊とか戦力は持ちまへんで。ほんで戦争する権利は認めまへんで。

 この大阪おばちゃん語訳を聞いた瀧波氏は「憲法を読む時は、なんとなく男の人の声で再生していたが、大阪おばちゃん語訳になった途端に、もっと親しみやすくなって、それがすごくいいと思った」と笑顔でコメント。谷口氏も「皆さんのお国言葉、生まれ育った言葉で話すのが一番大事だ」と、憲法を身近に感じる重要性を語った。谷口氏はその上で、9条1項の「永久に捨てましてん」という部分の重要性を解説。

「誰かが決めたものではなく、主語は『私たち』なので、私たちが決めたものなんです。『俺は決めてへん』『私は決めてへん』という逃げはできない設定になっているというのが、今の日本の憲法の大前提。そこを知らないと、『永久にと言ったって変えられるやん』と思うかもしれないが、『永久』は深い。それをやめるとなったら、『永久』をやめる、よほどの理由があるということを、理由がある人達がちゃんとわかるように説明しないとダメ」

 さらに、基本的人権について定めた11条を大阪おばちゃん語にすると…。

「第3章 国民の権利及び義務」

第11条〔基本的人権〕

国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、 侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

「大阪おばちゃん語訳」

国民は、すべての基本的人権をもってますねん 基本的人権っちゅうのは、人が生まれながらにしてもってる権利(自然権)のことですねんわ。憲法は国民に基本的人権保障してまして、いまの私らにも、将来の世代の子らにも永久の権利として与えられてまんねんで。

 この「生まれながらにして持っている(自然権)」という考え方について、谷口氏は…。

「人が生まれながらにして与えられている、持っているから自然権という考え方。生まれながらにして持っているというのはすごいこと。基本的人権をみんなが持っているということになると、例えばその基本的人権がないと言われる人や、裁判で獲得していかなきゃいけない人たちは『人じゃないんですか?』という話になる。同じ世界、同じところに住んでいるのに、『あの人は人、この人は人じゃない』みたいなことにならないかという話がある。同性婚なども、婚姻の自由や権利は基本的人権なのに同じ性別の人を好きというだけで『その人は人じゃないんですか』という話になる」

 瀧波氏は「ここで語られている人権や権利について、今よく『義務と権利は引き換え』みたいなことを言う人がいるが、全然そんなものではないということが、この11条を読むだけでもわかる」と述べると、谷口氏は次のように解説した。

「『義務と権利がセット』と言う人は、何かを間違って学習している。憲法に義務は書く必要はない。他の国の憲法には義務が書いていないものもある。日本国憲法は大日本帝国憲法の改正で並びが一緒なので、1章の天皇から始まる(新設された第2章の『戦争放棄』などはあるが)。『臣民の権利義務』としていたところを『国民の権利及び義務』に書き換えているので義務が残っている」

 最後に、谷口氏は人権の本質について次のように締めくくった。

「憲法もそうだが、人権は大変な時にしか感じない。普段は空気みたいにあるかもしれないが、困った時に出てくる。困った時に『助けて』とか『しんどい』と言っていい。そのしんどさを誰かと分け合って、みんなでなんとかしましょうというのが人権でもある。一緒に暮らすコミュニティの中での人権という話なので、分け分けしたらいいのよ。『不断の努力』ということも書かれているが、人権は守らないとあっさり権力を持っている人に奪われますよ、というのは歴史が証明している。そのため、私たちは不断の努力というと難しいけど、不断の努力で人権を守らないと」

(『わたしとニュース』より)

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