
8年にわたり放置されていた遊覧船の撤去作業を川崎市が始めました。全国では同じように放置された船舶が5万隻以上確認されていて、社会問題となっています。
【画像】全国で約5万6000隻が放置されているプレジャーボート
運河の“海賊船”撤去開始
工場が集まり、広く産業を支えている川崎臨海部。海に面し、船も行き交うこの場所に放置されていたのが、遊覧船です。
川崎市の桟橋に留め置かれた海賊船のような船。大きく傾き沈みかけています。
川崎市は17日、「行政代執行」による解体と撤去作業を始めました。
川崎市港湾局 港湾管理課 赤羽根薫課長
「本来こういった遊覧船がこのような工業地帯の中に停泊することは想定していなくて。ちゃんと指導に従って動かしていただければ、こういうことにならなかったので。その点は非常に残念でならない」
強風で沈下が進む遊覧船
かつて東京湾などで遊覧船として利用されていた「アニバーサリークルーズ号」。川崎市は長年放置されているとして、およそ8年間、運航会社などに対して撤去を求め続けてきましたが、状況は変わらないままでした。
しかし、去年2月に強風などの影響で浸水し、1階部分が沈没。放置すれば、周辺を航行する船への影響も心配されます。
こうした状況から、川崎市は船を強制的に撤去する「行政代執行」に踏み切りました。作業期間にはおよそ1カ月かかります。
前日には、最後の姿を写真に収めようとする人もいました。
20代
「そのままほったらかしというのが、なんとも切ないですよね」
20代
「なんか、むなしさを感じますよね。昔は家族とかカップルとか色んな人を乗せていた船が、こんな傾いた姿って、ちょっと寂しいなと」
費用3300万円市民負担も?
この船の所有は3代にわたっていて、現在の所有者に処分のための資産がないことなどから、長年にわたって放置されてきました。
撤去費用は、およそ3300万円。川崎市は費用を立て替えたうえで、所有者側に請求する方針ですが、連絡は取れていないといいます。
日本マリーナ・ビーチ協会 木下明調査研究部長
「所有者がどうしても指導に従わないということになれば、取らざるを得ない選択肢だったでしょうし、全国的にもこのような例というのは、これから増えていくかもという危惧は持っております」
全国でも許可を得ていない船が多く放置され、特にモーターボートなどの「プレジャーボート」は、全国でおよそ5万6000隻が放置されていることが分かっています。
問題は、所有者が分からない船です。
「古くなって船舶番号も分からない、把握しようがないという船については“簡易”代執行制度を使って、税金で賄うしかないということになる」
結果的に市民の負担につながることになります。
「何より所有者にしっかりと自ら処分していく、管理していくということの意識づけをしていく必要がある」
(2026年6月18日放送分より)
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