
来年4月からエアコンの省エネ基準が大幅に厳しくなります。これによってエアコンの販売価格が上昇するとも言われています。2027年問題と言われていて、家電量販店では今、早くも駆け込み需要が起きているということです。
エアコン購入希望者が殺到
梅雨の中休み、30℃以上の真夏日が続出した13日。
都内の家電量販店では、夏本番を前に、エアコン売り場には大勢の人の姿がありました。
購入受け付けのために並べられたデスクは真剣に話し込む客と店員で埋まり、レジにはずらりと並んで会計を待つ買い物客の姿が見られました。
ヤマダデンキ LABI池袋本店
大木昭右さん
「夏のピークはやはり6月に入ってから7月にかけてが多いのですが、今年に関してはやっぱり4月から5月もかなり忙しい状態が続いていました。(去年のこの時期より)2倍以上売れているのが現状なので、やはりかなり速いペースで売れている」
エアコン売り場をおよそ20年担当してきた店員も、今年はこれまでにない忙しさだといいます。その理由が“エアコン2027年問題”です。
来年4月から、エアコンの省エネ基準が大幅に厳しくなる影響により、省エネ基準を満たしていない低価格帯モデルは市場から姿を消す可能性があると指摘されています。
そのため、現在流通している低価格帯モデルのエアコン購入を検討する人たちが売り場に殺到しているというのです。
大木さん
「来店されたお客様から、2027年問題のことを質問されることがかなり増えましたので、値段がだいぶ上がってしまうんじゃないかというお話が出ている中で、かなり駆け込みの需要が増えているような状態になっております」
エアコンを求めて売り場に来た人は、こう話します。
40代女性
「省エネ基準が厳しくなって価格が上がりますよね。そこまで変わるのかなって、省エネ基準で電気代が。それよりは本体価格のほうがありがたいです。安いほうが」
30代カップル
「安ければ安いほどうれしいですけど」
価格差どれくらい?
エアコンが壊れたため買い替えに来たという30代カップル。寝室用の小さいものを見に来たといいます。“エアコン2027年問題”については…。
「あんまり難しいことはよく分からなくて、その辺も聞きに来たというのが、店舗に来たのは大きい」
どのエアコンを購入するのがいいのか、店員に相談することに。
店員
「イメージとしては、どれくらいのものがいいとかありますか?」
男性
「寝室用にと思っているので、リビングほどの性能は求めていなくて。価格と電気代の折り合いがいいところ」
男性
「(エアコン)2027年問題と言われているのは、持っているエアコンに対してどうこうではなくて?」
店員
「今出ている2026年度のモデルがちょっと早めに生産が終わっちゃったりする可能性が高いんですよね。旧型のモデルで一番安くなるのを待っていたら、気付いたらもう在庫が手配できなくなっちゃう」
実際、低価格帯モデルと省エネ高性能モデルではどれくらいの価格差が生まれるのでしょうか。
大木さん
「6畳用のエアコンで、大体7万9800円(税抜き)ぐらい。そちら同じメーカーの省エネ基準を達成しているモデルがあるんですけれども、そちらが12万8000円(税抜き)。4万~5万円ぐらい上がってしまいます」
その後、説明を受けながらさまざまなエアコンを検討。相談開始からおよそ20分後、8畳用の低価格帯モデルの購入を決めました。
男性
「僕ら個人の消費者目線でいくと、スタンダードも省エネタイプも(機能は)あまり変わらないということが分かったかなと思ったので、価格的にも安いこっちにしようかなと思いました」
「(Q.来年からは買えなくなるかも)そうですね。言っていましたね」
女性
「良かった、買えて」
低価格帯モデルを駆け込みで購入する人もいれば、中には省エネ高性能モデルを検討する人も…。
30代男性
「(省エネ高性能モデルは価格が)高くなるんですけど、でも省エネは大事なので。買う時には良いものを買ったほうがいいかなと思っています」
販売店「工事追いつかず」
エアコンの駆け込み需要に伴い、設置業者にも“異変”が起きています。
店内に、所狭しと積み上げられた大量のエアコン。
東京・亀戸 栄電気
沼澤栄一さん
「在庫じゃなくて売れていて、取り付けを待っている状態」
「(Q.ここにあるの全部?)そう」
「別の所にも倉庫があるんだけど、そこもいっぱいなんで。もう店の中に置いている」
東京・江東区にある栄電気。代表の沼澤さんも、エアコンの取り付け作業で連日大忙し。
例年は梅雨明けごろから増加するというエアコン工事ですが、今年はすでにピークを迎えているといいます。
沼澤さん
「(Q.今どれくらいあるんですか?)取り付け待ちが、ここでは20台くらい。取り付け工事が追いついていない、そういう状態」
「(Q.毎年こういう状態?)いやいや、本当は商品を展示するスペースですけど、もう冷蔵庫なんて隠れちゃってるじゃないですか。ここは炊飯器とかを本当は展示しているんですよ。炊飯器とか電子レンジとか。でももう見えない状態」
通常であれば、洗濯機などが並んでいる場所ですが、今は“取り付け作業待ち”のエアコンがズラリ。
エアコン設置工事に同行
9日、最初に向かったのは、70代夫婦が住むお宅。
夫
「この型って、もうどのくらい。15年ぐらい?」
沼澤さん
「そうね。15年以上経っているよね。この型で見るとね」
妻
「(Q.エアコンはいつ注文したんですか?)梅雨が明ける前までにお願いしようかなと思って」
沼澤さん
「2週間ぐらい前かな。割と早いほう」
家の外では、同時進行で室外機の設置が行われます。
室内のエアコン本体と室外機をつなぐ配管は、物価高騰だけではなく中東情勢の影響による“ナフサ不足”で値上がりが続いているといいます。
沼澤さん
「この1巻(20メートル)が2年前は8000円だったのが、今は2万5000円」
「(Q.すごく上がっていますね)2年前の3倍」
今回、設置したのは、省エネ高性能モデルのエアコン。
沼澤さん
「じゃあちょっと試運転しますね」
「羽根が4枚あるから、それですごく快適な風のコントロールをしてくれる」
「電源を切ると自動的にフィルター掃除始めます。それも毎日やってくれるから」
作業を終えると、次のお宅へ。
こちらのお宅に取り付けるエアコンは、来年以降に流通しなくなるとみられる低価格帯モデルのエアコンです。
沼澤さん
「来年以降は安くなるのはなくなっちゃうから」
「(Q.ここのお宅の元々のエアコンは故障していた?)いや違います。ちょっと古くなったからということで」
4月下旬から繁忙期並みも
横浜や川崎など、神奈川県を中心にエアコン設置を行う業者も連日大忙しだといいます。
こちらのお宅でも取り付けるのは低価格帯モデルのエアコンです。
依頼者
「来年からエアコンが高くなると聞いたので、もう10年以上使っていたので、この機にと思って替えようと思いました」
「(Q.どうですか、新しいエアコン)楽しみです」
電湘設備 伊藤航祐さん
「結構、今駆け込みで購入される方多くいらっしゃいますね」
「(Q.安いものを今のうちに?)そうですね。もうなくなっちゃうので、高いのしか来年は残っていないというか、それしか作っていないみたいな感じになるかな」
こちらの会社では、例年この時期から繁忙期が始まるといいますが、今年は4月下旬から繁忙期並みの忙しさだといいます。
「新規で取り付けより買い替えが多いですね」
依頼者
「涼しい」
伊藤さん
「もう終わったので、ありがとうございます」
依頼者
「ありがとうございます」
工事に“ナフサ不足”影響
想定以上のエアコン購入や買い替え需要の多さから、設置を担う電気工事の現場では早くも長期間の“工事待ち”が発生しているといいます。
沼澤さん
「今年は特になんですけど、連休、ゴールデンウィーク明け直後に30℃(の日が)続いたじゃないですか。あれで皆さんちょっともう夏モードに入ったという感じかな。それでさらにいうと、そういう省エネ基準が(変わる)という報道されているんで、買い替え需要というのがすごく急に殺到した状態ですね」
「(Q.去年に比べて今の時期どのぐらい需要が?)去年に比べると3倍になっていますね」
「(Q.取り付けは今どのぐらい待ちなんですか?)今3週間から4週間、ひと月くらいになっちゃうかな。日にち指定になると、確実に1カ月後になっちゃいますね」
さらに取り付け工事に遅れを生じさせている要因として“ナフサ不足”も大きく影響しているといいます。
「このエアコンの外の配管のカバーが、こういうプラスチックとかね。これが今、供給ストップ、在庫ある限りという感じなので。これを付けて施工する場所って、ちょっと工事を遅らせてもらったりしています」
(2026年6月18日放送分より)
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