
アユを丸飲みしてしまう巨大外来魚「ブラウントラウト」が各地で増えています。アユ釣りのシーズンを迎えるなか、岐阜県の川では地元の漁業関係者らによる一斉駆除が行われました。
卵3000個 何度も産卵
今、国内の河川で猛威を振るうブラウントラウト。捕獲されたのは体長70センチ、生後8カ月ごろの赤ちゃんと同じくらいの大きさです。
在来の魚を丸飲みにしてしまうブラウントラウトは、1回で2000~3000個の卵を産みます。サケと違い、一生のうち何度も産卵ができるため、駆除をしなければ数は増えていく一方です。
岐阜県北部を流れる宮川。放流された稚アユは飛騨の豊かな山々に囲まれた清流で育ちます。なたやへらのように幅があり身が厚くなることから「なたべらアユ」と呼ばれています。
しかし、飛騨の恵みを食い荒らす外来種。ブラウントラウトの駆除に密着しました。
日本語で「茶マス」とも
やってきたのは宮川の支流の一つ・小鳥川。ブラウントラウトの駆除には、宮川下流漁協と外来魚の定着や影響を調査している大学の研究者も参加します。
川に入り、ブラウントラウトの駆除が始まります。駆除には「電気ショッカー」という機材を使い、水中に電気を流して魚を一時的に麻痺させ、網で捕獲する方法で行われます。
富山大学 理学部 ピーターソン助教
「植物のアシですが、アシの中はすごく水深が浅い。こういう所に結構、大きいブラウントラウトがいっぱい入っている」
すると早速…。
「ブラウントラウトが取れました。見た目はちょっと茶色い体、英語名「Brown」なので、日本語でも茶マスと言われたりする。茶色い体と赤い斑点、真ん中に赤い点々が付いていて、これで見分けがつきます」
駆除開始からわずかな時間で次々と…。
「どんどんブラウントラウトが入りますね。この辺りは小さめのブラウントラウトがいっぱい入る」
1時間の駆除で63匹捕獲
ブラウントラウトはヨーロッパから西アジアにかけて広く分布。冷たい水を好み、川での寿命は5年から8年と言われています。
少し水の深いエリアに入りました。草が多い辺りでは小ぶりのブラウントラウトが多かったようで、深いエリアに入っています。駆除開始から50分…。
ピーターソン助教
「大きいブラウンが取れた。狙いの大きなブラウントラウトが入りました。これは30センチはある。このサイズになってくると、捕食者としての影響がとても心配」
大きさを測ってみると、頭から尾びれの先までで35.7センチありました。
「だいたい30センチぐらいから魚食性になり始めているので、35センチ、このブラウントラウトは十分魚を食べていると思う。ブラウントラウトは成長が早くて大型化しやすい。去年はここで60~70センチのものも取れているので。在来のマス類よりも大型化、小さい川でも特に大きくなる傾向がある」
この日、小鳥川ではわずか1時間の駆除で63匹のブラウントラウトを捕獲しました。
味はサーモン?食べて活用
ブラウントラウトは一体、どんな味なのでしょうか?取れたてを塩焼きにしていただきます。
食感や味はアユなどの川魚のように柔らかく、あっさりさっぱりしていておいしいです。
淡白な味わいのブラウントラウトをさらにおいしくいただくため、魚のプロのもとへ。マイナス20℃で1週間以上寝かせたブラウントラウトをお刺し身にしてもらいました。
色は白身魚のようですが、まずは魚のことを知り尽くした田無漁港直売所の早津茂久社長が食べてみると…。
「脂のってるね。甘い。もうサーモンですよ。こんなに脂のってるんだ」
「びっくりした」
続いて、紀真耶アナウンサーも食べてみました。
「柔らかくて脂のってますね。刺し身で店で出てきても、おいしいって」
宮川下流漁協では昨年度、1117匹のブラウントラウトを駆除しました。
宮川下流漁協 森下真次組合長
「駆除するだけでは、どうかなと思うところもあって。今後どういう活用がいいのか、研究していきたいと思う」
(2026年6月19日放送分より)
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