一度帝王切開で出産すると次の出産でも帝王切開をするのが一般的だが、トーラックは経腟分娩にトライすることを指す。婦人科の柴田あずさ院長によると、一度子宮に傷が入っていると陣痛時に強い収縮力がかかることで傷口が裂けるリスクがあり、トーラック中の子宮破裂のリスクは通常のお産に比べて約100倍に跳ね上がるという。
そんなリスクを知りながらも、鈴木がトーラックに挑んだ背景には初産の悔しさがあった。第1子の出産の際、53時間もの難産の末にあと一歩のところで緊急帝王切開となった鈴木は、「『あと一歩』っていうところを知っちゃったから、『もう少し自分が頑張れたんじゃないかな』って、自分を責めちゃう時期があったんですよ」と当時の葛藤を振り返った。
そのため第2子の妊娠時にトーラックを志したが、出産方法をめぐる夫婦の話し合いでは夫との意見のすれ違いもあったという。夫からは「そんなに頑張らなくてもいいんじゃないか?」と心配ゆえの言葉をかけられ、鈴木自身も「出産って奇跡だし、会えることが第一だから、そうだよねって揺れた」と本音を漏らした。しかし、どうしても後悔したくないという鈴木の強い想いを受け止めた夫は、一緒に覚悟を決めてくれたという。
結果として2度のトーラックを成功させた鈴木。「どんな出産になってもベストなんだ、って思えた」と晴れやかな表情で語った。
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