
およそ2000万円に上る被害に遭ったのは、認知症の女性でした。いわゆる「点検商法」が急増しています。
認知症は「激アツ」標的に
リフォーム会社を知る人
「(Q.どういう集団)詐欺集団」
「(Q.悪質か?)悪質だよ、おばあちゃんをだまして」
警察の発表
「容疑者らはターゲットを認知症の人に絞っていて、認知症の人を見つけた際は『激アツ』『ド当たり』と共有していたとみらる」
埼玉県警によると、容疑者らの手口は本来は必要のない修理などの高額な費用を支払わせるものでしたが、ターゲットは認知症の高齢者だったといいます。
逮捕されたのは、リフォーム会社「NEXT HOME」の代表である望月優矢容疑者(30)ら4人です。
リフォーム会社を知る人
「(Q.どのような会社?)正体が分からない」
「知り合いがトイレ交換を依頼。日時決めて家にいたが全然来ない。電話もつながらない。いい加減な会社」
「アルバイトの時給がいい。テレアポで仕事がとれないとLINEですぐ解雇される話も…」
現場の取材では、実際の工事について“証言”を得ることができました。
“点検商法”実態は
今回被害に遭ったのは、千葉県松戸市に住む当時80歳の女性です。認知症の症状があり判別力が著しく低下しているところを狙われたとみられています。
認知症の女性が住むマンションを業者が訪ねてきたのは、おととしでした。
「上の階で水漏れしている所があるので点検させてください」
業者は「水漏れの点検」を装って部屋に上がり込むと、そこで、驚きの行動に出たといいます。
あらかじめ用意したペットボトルの水をトイレの周辺にまき、「ニセの水漏れ」を作り出したというのです。業者は自ら作り出した「水漏れ」を女性に見せると…。
「修理をする必要がある」
女性は必要のないトイレの改装工事に対し55万円を支払いますが、それだけでは終わりませんでした。
女性はトイレ以外にも、ありとあらゆる場所で本来は不要な工事をされてしまいました。半年ほどの間で、およそ10カ所に上ります。
水漏れや故障がないのに修理されたのは、これらの場所です。それぞれの代金を見ていきます。
水回りではトイレが55万円、洗面所などで220万円、ユニットバスとキッチンが330万円です。水回り以外では、フローリングとサッシが495万円、畳とフローリングも495万円、インターホンと分電盤は400万円でした。被害の総額は1995万円に上りました。
埼玉県警は女性の被害を受け、東京・杉並区にあるリフォーム会社の代表ら4人を逮捕しました。
望月容疑者らは認知症の症状がある女性から、現金およそ2000万円をだまし取った疑いが持たれています。
「いい加減な会社」
リフォーム会社を知る人
「知り合いがトイレの交換を頼んで、日時を決めてその時間に家にいたのに全然来ない。電話もつながらない。いい加減な会社」
「(Q.請求は?)値段も高かったみたい」
さらには従業員の“営業”に関する情報も…。
「入れ替わりが激しいというのは聞いている。テレアポの人の時給を高く募集しているから、どんどん入ってどんどん辞めていくという話は聞いた」
実はリフォーム会社の摘発は、千葉の認知症の女性とは別の「第二の被害者」の相談がきっかけになっています。
「下の階で水漏れがあったから点検させてほしい」
去年、埼玉県内の60代男性のもとにも業者が訪れていました。
「洗面台の下の排水管に問題があり、水漏れを起こすかもしれない。下の階の迷惑になるかもしれない」
男性のもとには翌日、修理代金55万円の請求が届いたといいます。高額すぎると思った男性が工事を断り、マンションの管理人に確認したところ…。
「水漏れしている世帯はない」
この男性が詐欺に気づいて警察に届け出たことで1都4県での捜査が動き出し、業者の摘発に至ったということです。
3年ほどでおよそ10億円を売り上げていたとみられている、リフォーム会社の手口というのが…。
容疑者らはまず、マンションなどの集合住宅を手当たり次第に訪問します。そこで認知症の人を見つけると仲間とこんなふうに情報を共有していたそうです。
「激アツ」
「ド当たり」
「激アツ」や「ド当たり」という言葉は認知症でだましやすいターゲットを見つけた、という意味なのでしょうか。
身を守るには
悪質商法に詳しい 多田文明さん
「悪質業者はたくさんの家を訪問している。少し話すとその人が認知症か認知症ではないかある程度分かる」
専門家は、認知症の症状がある人の被害は、今回のように何件も重なる危険性があると話します。
「おそらく一つの契約をしても前の契約を覚えてなかったりして、もう1回何か次の契約をさせていく」
「周りの人が認知症気味とか認知症の方がいた場合、気づいてあげることが大事」
水回りなどを点検するといって、家に上がり込み高額な修理費などを請求する「点検商法」は年々増えています。2025年度の相談件数は5年前のおよそ3倍で、そのおよそ6割が70代以上の高齢者だといいます。
「これまでは、一軒家を悪質なリフォーム業者は狙っていたということは言えると思います。今回摘発された業者はマンションということで、一軒家に比べて注意・警戒が低かったのかなと」
一軒家、集合住宅ともに、見ず知らずの業者が訪問してきた時点で断るなど、警戒が必要だということです。
(2026年7月3日放送分より)
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