FIFAワールドカップ2026北中米大会で、日本代表は決勝トーナメント1回戦でブラジル代表に敗れ、目標に掲げた優勝とはならなかった。
それでも今大会は、グループステージで日本のワールドカップ史上最多となる1試合4得点を記録するなど、攻撃面で多くの収穫を残し、1大会で最多となる8ゴールをあげた。
歴代ワールドカップのゴールマップに今大会の得点を加えながら、日本代表の戦いを振り返る。
ゴールマップ 1大会で最多となる8得点が追加
※「ALL ▼」のプルダウンボタンで大会別のゴールを見ることができます。(試合映像を基に位置を推定)
今大会、日本は4試合で8ゴールを記録した。
グループステージではオランダ代表、チュニジア代表、スウェーデン代表を相手に勝ち点5を積み上げて2位通過を果たし、決勝トーナメントではブラジル代表に健闘するも敗れた。
ここからは、それぞれの得点シーンを振り返る。
オランダ戦 二度のリードを許すも勝ち点1をもぎ取る
日本は6月15日、アメリカ・ダラススタジアムでグループステージ初戦、オランダとの試合に臨んだ。
前半は、オランダのFWコーディ・ガクポ選手のドリブルに対して、堂安律選手(28)と久保建英選手(25)の2人で厳しくマークをして、チャンスを作らせない。
しかし後半に入り、セットプレーの流れから空中戦に定評のある世界屈指のDFフィルジル・ファンダイク選手に頭でゴールを決められ、先制を許す。
1点を追いかける日本は57分、久保がDFを引きつけて中村敬斗選手(25)にパス。
中村がタイミングをずらしながら、シュートコースを作り右足を一閃。
DFの股下を通すシュートで同点に追いつく。
しかし、64分にクリセンシオ・サマーフィル選手のカットインからのシュートで、日本は再びリードを許す。
それでも89分、途中交代で入った伊東純也選手(33)のコーナーキックに、小川航基選手(28)がヘディングシュート。
このシュートコースにいた鎌田大地選手(29)が頭でわずかにボールの軌道を変え、ゴールネットを揺らした。
日本が土壇場で同点に追いつき、重要な大会初戦で価値ある勝ち点1を手にした。
チュニジア戦 日本のW杯史上最多の1試合4得点
6月21日、メキシコ・モンテレイでグループステージ第2戦、チュニジアとの試合に臨んだ。
日本は過去7度出場したワールドカップで、グループステージ第2戦は一度しか勝利を収めていない。
試合開始早々、前線からのプレスと素早い攻守の切り替えでチュニジアを圧倒した日本は、4分にゴールネットを揺らす。
左サイドの中村が縦への仕掛けから、速くて低いボールをゴール前に送る。
ゴール前に走り込んだ鎌田が、左足のインサイドでボールの方向を変え、ゴールに流し込んだ。
先制に成功した日本は流れを一気に引き寄せる。
31分に前線でボールを受けた上田綺世選手(27)が、ペナルティーエリア右手前から右足を一閃し、ゴール左隅を射抜いた。
後半も日本の勢いは続く。
69分、田中碧選手(27)のパスを上田がワンタッチで相手ディフェンスラインの裏へ流すと、伊東が抜け出してGKとの1対1を制した。
さらに、83分にもゴールエリアに侵入した佐野海舟選手(25)が右からクロスを上げると、上田がヘディングシュートでこの試合2点目。
日本のワールドカップ史上最多となる1試合4得点を記録し、勝利を決定づけた。
スウェーデン戦 先制するも同点に追いつかれ2位でGS突破
6月26日、アメリカ・ダラススタジアムでグループステージ第3戦、スウェーデンとの試合に臨んだ。
試合開始早々、決勝トーナメント進出へ向けて勝ち点3が欲しいスウェーデンが前がかりになるが、日本は攻守の切り替えが早く、スウェーデンに決定的な場面を作らせない。
しかし、日本も攻めあぐねて、ネットを揺らすことはできない。
56分、試合が動く。
堂安が上田から受けたパスをワンタッチでペナルティーエリア中央へスルーパス。
タイミングよく斜めに走り込んだ前田大然選手(28)が、ゴール左に流し込んで、先制に成功した。
しかし62分、アントニー・エランガ選手にカットインからのスーパーゴールで同点に追いつかれる。
その後も、ロングボールやセットプレーでピンチを招くが、GKの鈴木彩艶選手(23)が立て続けに好セーブを見せ、1対1の引き分けに終わった。
この結果、日本は1勝2分の勝ち点5とし、グループFの2位に入って決勝トーナメント進出を決めた。
ブラジル戦 “ヒューストンの悲劇” 後半ATに逆転弾
6月30日、アメリカ・ヒューストンスタジアムで決勝トーナメント1回戦、ブラジルとの試合に臨んだ。
前半、日本はコンパクトな守備ブロックでブラジルの攻撃に対応し、守備からのカウンターを狙う。
すると29分、待望の瞬間が生まれる。
ハーフウェイライン付近でブラジル選手の横パスを佐野がカット。
そのまま中央をドリブルでボールを運ぶと、ペナルティーエリア手前から右足を振り抜き、完璧なコースを突いたシュートはゴール左下隅のネットを揺らした。
1点をリードして後半を迎えた日本だったが、“サッカー王国” ブラジルが戦術変更で試合の流れを変える。
後半頭からパワーとスピードのあるFWエンドリッキ選手を投入。
さらに、世界最高峰のFWビニシウス・ジュニオール選手がサイドに張り、日本の選手2人を引きつける。
その空いたスペースからクロスをゴール前に入れられるシーンが多く見られ、日本の守備ブロックは自陣深くまで後退を余儀なくされた。
猛攻を耐える時間が長くなる中、56分についに失点する。
日本の守備ブロックの手前からDFブルーノ・ギマランイス選手にクロスを入れられると、ファーサイドで待っていたMFカゼミーロ選手にヘディングシュートを叩き込まれた。
同点に追いつかれた日本は、66分に菅原由勢選手(26)、鈴木淳之介選手(22)を投入してクロス対策に出た。さらに、78分には田中と町野修斗選手(26)をピッチに送る。
選手交代後もブラジルの猛攻を凌いでいたが、カウンターにつなげることができず、相手陣内すら入れない時間が続いた。
そして、後半のアディショナルタイムに悲劇が訪れる。
自陣ペナルティーエリア付近で田中がボールを奪取するも、直後に相手のプレッシャーを受けてボールを失う。
すると、味方から絶妙なラストパスを受けたガブリエウ・マルティネッリ選手にシュートを放たれる。
GK鈴木がわずかにボールに触るも、ボールは無情にもゴールラインを割った。
日本は失点直後に小川を投入して最後の反撃に出たが、スコアを動かせず、1対2で試合終了のホイッスルが鳴った。
1大会最多の8ゴールを記録するも優勝には届かず
優勝という目標はまたも持ち越しとなった一方で、日本代表は1大会最多の8ゴールを記録し、新たな歴史を刻んだ。
森保一監督は、帰国後会見で「今回、世界一を目指して大会に挑むということでワールドカップを戦ってきた中で、この成長をしっかり続けていけば、未来は必ず世界一を取れるとそういう日が来るということを戦いの中で感じることができました」と日本サッカーが着実に世界との差を縮めていると語った。
日本サッカー協会は、2050年までにワールドカップ優勝を目標に掲げている。
次回の2030年モロッコ・ポルトガル・スペイン大会では、このゴールマップにさらに多くのゴールが刻まれ、悲願の世界一へ大きく前進する大会となることを期待したい。
