首都直下地震の火災を防ぐ鍵「感震ブレーカー」とは? 政府が2035年までの全戸設置を目指す背景

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【映像】「感震ブレーカー」をスタジオで実践した瞬間

 各地で地震が相次ぐ中、東京では今後発生が懸念される首都直下地震への対策が急務となっている。地震への具体的な備えやこれからの防災のあり方について、内閣府防災の桝谷有吾企画官とテレビ朝日社会部の山内陽平記者がそれぞれの専門的な視点から解説した。

【映像】「感震ブレーカー」をスタジオで実践した瞬間

 内閣府の桝谷企画官は、首都直下地震(M7.3)の被害想定を説明した。東京23区南部などで最大震度7の揺れが予測され、死者は約1万8000人(うち火災によるものが約1万2000人)、建物の全壊や焼失は約40万棟に及ぶとされている。2013年時の想定との比較として、耐震化により死者数は減少したものの、近年の猛暑による電力需要や人口集中を背景に、停電件数の見込みが増えているという新たな課題を指摘した。

 これに伴い政府は今年6月、今後10年間の具体的な災害対策項目を189項目へと大幅に拡充した。桝谷企画官は今後10年で死者数を半減以上させる方針を示し、現在38%にとどまる家具の固定率を100%に引き上げる目標や、自宅での「在宅避難」を想定した1週間程度の家庭内備蓄の推進を挙げた。また避難場所について、桝谷企画官は落下物の危険がない建物内や地下への避難も有効であるとしつつ、津波の危険がある地域での地下避難は厳禁であり、事前にどこに逃げるか想定したり、家族で話し合っておくことが大切であると呼びかけた。

 今回の被害想定において死者の約7割が火災によるものであることから、政府は2035年までにおおむね全ての家庭に「感震ブレーカー」を設置する目標を掲げた。これについて桝谷企画官は、感震ブレーカーは火災被害を防ぐ重要な武器になるとし、普及を進めたいとの考えを示している。電力が復旧した際に発生する「通電火災」を含む電気火災が東日本大震災の火災原因の過半数を占めており、損傷した配線からの発火や電気ヒーターの上に落ちた衣服への着火などが挙げられた。避難時に手動でブレーカーを落とす余裕を持ちにくいため、強制遮断する装置が有効とされている。

 感震ブレーカーの具体的な製品について、テレビ朝日の山内記者は簡易タイプの実物を交えて紹介した。山内記者によると、簡易型には揺によるボールの落下の重みや内部のバネでレバーを引き下げるタイプがあり、5000円〜8000円程度で工事なしで設置できる。他にも分電盤タイプやコンセントタイプなどがあり、環境に合わせて選ぶことができる。また、山内記者は「首都直下地震は真下で起きるため緊急地震速報が揺れに間に合わない可能性が大前提としてある」と解説し、その場で物理的に揺れを検知して作動するシンプルな仕組みこそが有効であると述べた。なお、ガスに関しては強い揺れを検知するとエリア一帯で自動的に止まる仕組みなどがすでに整っているとのことである。

 現在の全国的な普及率は約20%にとどまっており、役割や名前が正しく理解されていない認知度不足が課題となっている。山内記者は、取材したホームセンターにおいて、政府の目標発表後に売上高が前年の5倍になった例を取り上げ、「知れば必要だと感じる人は多い」と指摘した。これに対し桝谷企画官は、アンケート調査を続けながら目にする機会を増やす方針を明かした。また、一度落ちたブレーカーを再び上げるタイミングについて、桝谷企画官は「火災のリスクがないことを確認してから戻すことが大事」と注意を促した。

 首都直下地震は今後30年間でおおむね70%の確率で発生するとされており、いつ起きてもおかしくない状況である。桝谷企画官は、地震はどこで起きるかわからないため全国各地で対策に取り組んでほしいとした上で、「防災を特別なものとして捉えて身構えるのではなく、特売日に少し多めに買い置きをするなど、日常生活の延長線上にある日常的なちょっとした工夫から備えを始めてほしい」と呼びかけた。

ABEMA/ニュース企画)

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