
ウクライナ侵攻を巡ってロシアの強硬派が要求を強める中、軍の反乱を警告する“第2のプリゴジン”と呼ばれる人物が波紋を広げている。ロシア国内でガソリン不足が深刻化、原油の輸出先からガソリンを輸入するという事態になっている。
プーチン氏が制圧を主張
まず戦況を見ていく。
ロシアがウクライナ東部の要衝を制圧したと主張している。その場所というのが、ウクライナ東部ドネツク州にある「コンスタンチノフカ」という都市だ。
「制圧した」とするプーチン大統領の主張について、アメリカのシンクタンク、戦争研究所は「制圧を示す証拠はない」としていて、ウクライナのゼレンスキー大統領も陥落を否定しているという。
強硬派の要求強まる
戦闘が長期化する中で、ロシアの強硬派が要求をエスカレートさせていると言われている。
アメリカのシンクタンク、戦略国際問題研究所の推計では、ウクライナ侵攻が始まってから先月までの死傷者はウクライナ軍が最大62万人とされているのに対して、ロシア軍は約140万人と、ロシア軍のほうが倍近い被害が出ているという。
こうした中、ロイター通信によると、ロシア国内の強硬派がプーチン大統領に対して外交交渉を放棄して事態をエスカレートさせるべきだと圧力をかけているという。
こうした強硬派の動きは以前からあった。例えば「ウクライナの首都キーウにある政府地区の破壊」や「ゼレンスキー大統領の暗殺」などを強く求めてきたが、ここへきて「戦術核兵器の使用」を検討するよう求める声も出ているという。
さらに、首都モスクワや第2の都市サンクトペテルブルクなど、ロシア深部へのドローン攻撃が増えてきていることによって強硬派の要求が一段と強まってきているという。
軍の反乱を警告
こうした中、軍上層部を批判する“第2のプリゴジン”と呼ばれる人物が波紋を広げているという。プーチン大統領に軍の反乱を警告しているという。
AFP通信などによると、プーチン大統領に反乱を警告したのはアレクサンドル・ルニン氏(39)で、ウクライナ侵攻では偵察部隊の指揮官も務めた退役軍人だという。
ルニン氏が先月25日、SNSに動画を投稿し、プーチン大統領との会談をテレビ中継するよう要求した。この動画は約2000万回再生されていて、動画を見た人の中にはロシアの民間軍事会社、ワグネルの創設者プリゴジン氏が2023年に起こした“プリゴジンの乱”を思い出す人が多かったという。
プリゴジンの乱とは、当時プリゴジン氏がSNSで軍上層部らの解任を要求し、モスクワの200キロ手前まで進軍したことをいう。
今回公開された動画の中ではルニン氏も「多くの兵士が人命を顧みない自殺行為に等しい命令を拒否したために指揮官から拷問や虐待を受けている」と主張したうえで、「プーチン大統領の隣で生中継で話すことができなければ、ロシア軍はその武器をクレムリン(ロシア大統領府)へと向けることになる」と脅迫にも似た警告を行っている。
AFP通信によると、ルニン氏はこの動画を公開した後、別件で有罪判決を受けて拘留されたという。
ガソリン不足が深刻化
ウクライナの攻撃によってロシアでガソリン不足が深刻化。エネルギー大国のはずであるロシアが、原油の輸出先からガソリンを輸入せざるを得ない事態にあるという。
ロイター通信によると、ロシアはインドから海上ルートでガソリンを輸入しているという。
ロシアはもともとインドに原油を輸出しているエネルギー大国だが、ウクライナの攻撃で製油所が破壊され石油が精製できなくなり、インドからガソリンを輸入しなければならない状況になった。ロイター通信によると、業界関係者の話ではインドからロシアに少なくとも6万トンのガソリンが送られたという。
また、ロシアが中国からもガソリンを輸入する案が浮上しているという。
インターネット上でロシア国内の情報を発信する独立系情報チャンネル、インサイダーTによると、中国に対するロシア側の提案では、シベリアの森林を長期的に利用できる権利や木材の加工や輸出などを中国企業に委ねるというもので、その見返りとして中国から3~4カ月分のガソリンを供給してもらうという計画だという。
米・ウクライナ首脳会談へ
ウクライナはアメリカと首脳会談を行う見通しだ。戦闘終結に向けた動きは加速するのだろうか。
トルコで開催中の「NATO首脳会議」で、8日にアメリカとウクライナの首脳会談が行われる予定となっている。
ゼレンスキー大統領はプーチン大統領に直接会談を提案したが、プーチン大統領は「やる意味が分からない」と提案を拒否している。
トランプ大統領は先月15日、「イランが片付いた。次はウクライナ和平に集中する」と発言している。AFP通信によると、今月4日、NATO首脳会議を前に、トランプ大統領は、ゼレンスキー大統領、プーチン大統領、それぞれと電話会談を行ったという。
(2026年7月8日放送分より)
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