6月30日から放送・配信が始まっているTVアニメ『無自覚聖女は今日も無意識に力を垂れ流す』のヒロイン・カロリーナは、優秀な姉であるフローラに虐げられて日々劣等感を抱えて生きていた。そんなカロリーナが政略結婚で隣国の第二皇子・エドワードと結ばれることとなり、単身マルコシアス帝国へ向かうことになるという導入から物語は始まっていく。
本記事では、フローラ・サンチェスを演じる声優の白石晴香にインタビューを実施。ただの悪役ではないと白石が語るフローラを演じる上で、どのようにキャラクターを捉え、どう演じていったのか。その役作りの道程を伺った。
——先行上映会で第1話を拝見したのですが、フローラのカロリーナに対する憎しみがこれでもかと発露されていました。作品の中心は虐げられていたカロリーナの解放と成長物語になると思いますが、姉であるフローラはある種、対となる存在ですよね。
白石:フローラは、この作品の中では悪役ポジションだと最初に受け取れると思うのですが、彼女を中心に見ていくと、才色兼備で次期聖女と謳われているが故の苦しみを抱えている一面も描かれていて、私としてはいろいろな意味での人間の成長物語であると受け取りました。
これまで完璧というものを背負わされてきて、弱音が吐けなかったり涙を流すことができなかったりで。そこに唯一手を差し伸べてくれたお母さんが亡くなって、そのきっかけがカロリーナにあると思ってしまったからこそ、憎しみの感情がカロリーナに向いて、強く当たってしまうんです。
——フローラにもカロリーナを敵視してしまう理由があるからこそ、という……。
白石:本来のフローラはもっと別の姿だったのだろうなと想像はするのですが、こうなってしまったからにはそれを背負った苦労みたいなものを私が表現できたらいいなと思い、どの言葉にもひねくれ感や恨みのようなものを込めて話していました。
——カロリーナは、フローラの残るセレスティア王国を離れてエドワードと結婚したことで、徐々に自信を取り戻して前向きになっていきますよね。
白石:カロリーナは自己否定の考え方をしていましたが、やっぱりそういった考え方ってどういう風に生まれて周りの環境がどうだったのかによって決まってくる部分が大きいのだと、私自身の人生の中でも感じてきたことを、この作品で改めて痛感しました。けれども、その環境は何かのきっかけや人との出会いによって変えていくことはできる。
エドワードをはじめ、カロリーナを見守っている人たちはすごく温かくて愛にあふれている人たちが多いのですが、そんな人々に恵まれたのは、カロリーナの本質的な部分がとても温かいものだったからではないかなと。挫けずに前を向いていれば、こんなにいいこともあるのだなという、希望のある見方もできる作品だと感じました。
「常にかかっていくような気持ちで」
