
8日も高齢ドライバーよる交通事故が起きています。現在75歳以上の運転者は、認知機能検査を経て、高齢者講習を受けた後、免許更新という流れになっています。また、違反歴のある人の場合は『運転技能検査』の受検が義務化されています。しかし、この検査内容が不十分だという声もあり、8日に検査を見直す検討会が開かれました。
【画像】“何度でも受検可能”運転技能検査の実態とは 高齢ドライバーの“検査”見直しへ
相次ぐ事故 高齢者講習の現場では

マンションの駐車場で車が横転。8日午前、大分市で83歳の男性が運転する車が壁に衝突し、設置されていた3本のガス管が損傷しました。周辺でガス漏れが発生し、警察は一時立ち入りを規制。
男性が運転操作を誤った可能性があります。

各地で相次ぐ高齢ドライバーによる事故。福岡県大野城市の自動車学校では、高齢者を対象にした講習が行われていました。
講師
「駐車場から転落した。そういう事故がたまにありますよね。それを想定した課題ということです」

受講しているのは、免許の更新時に70歳以上となるドライバー。講義と適性検査を受けた後、教習車に乗り込み、コースを走ります。

現在、運転免許を更新する際、70歳以上の人はこうした高齢者講習が義務付けられています。
加えて、75歳以上の人は事前に認知機能検査も受けなければなりません。
さらに、4年前に始まったのが運転技能検査。一定の違反歴があるドライバーを対象に行われる、いわゆる実技試験です。

検査でチェックされるのは5項目。『指示された速度での走行』や『一時停止』、『右折や左折の時にはみ出さないか』などです。検査時間は約20分。減点方式で、70点以上が合格です。仮に不合格となっても、免許の期限が来るまでは何回も受けることができます。
運転技能検査を受検した男性(87)
「ブレーキの使い方、アクセルの踏み込み方、ちょっと早いと指摘をいただいた。今回ずいぶん迷った。返納するべきかどうか。だけど現状、生活するために車がどうしても必要性を感じる。今回が最後かなと思って更新の手続きをした」

何度でも可能 運転技能検査の“実態”

8日に始まった警察庁の有識者検討会。運転技能検査の見直しが話し合われました。
警察庁 日下真一交通局長
「運転技能検査の合格者が起こした交通事故における法令違反では、前方・左右の安全不確認が多いなどの特徴が見られた。さらに運転技能検査の内容の充実を図る必要がある」
警察庁によると、去年の合格率は93%。受検後約2年間、交通事故の発生状況を調査したところ、10万人あたりの交通事故は1575件。違反歴がない人に比べて事故の割合は2.8倍に上ったといいます。
実際、現場ではこんな場面も。

運転手
「これでいいですよね」
指導員
「ただ何か気付くことはありますか?」
車が走っているのはセンターラインより右の対向車線、つまり逆走です。

運転手
「そこで止まるんですよね」
指導員
「まだ気づかないですか?」
運転手
「信号!」
指導員
「逆走です。分かりました?」
運転手
「この道でいいですよね」
指導員
「逆走していますよ」
こうした運転でも何回も検査を受けられ、チェック項目をクリアすれば免許を更新できてしまうのが、今の制度です。
南福岡自動車学校 教育部 辻浩三チーフ
「正直危ない方もいらっしゃいます。今の検査方法では危ない方も合格になる場合もある。場所場所で採点が決まっているため、そういうところはあります」
専門家「AIなどの活用し判断を」

運転技能検査の導入後も、高齢ドライバーによる重大事故は後を絶ちません。去年5月、長野県で76歳の女性が歩行者をはね、死亡させる事故が発生。今年5月には名古屋市で、スイミングスクールの送迎バスを運転していた85歳の男性が、歩行者の男女2人を死亡させる事故が起きています。
こうした現状に、専門家は。
交通心理学が専門 九州大学大学院 志堂寺和則教授
「きちんと危険なドライバーを見つけられているか。教習所や警察の施設の中、決められたところで短時間でチェックしているのが一番大きな問題。施設じゃなくて、外で長時間乗った状況で、ちゃんと運転できるかを確認するというのが本当は理想。ドラレコを1週間つけて、走った状況をAIでどういう運転ができているか判定する」
