さらに、第1幕はAbel監督、第2幕は山田総監督がそれぞれ絵コンテ・演出を担当したことが紹介され、実際の絵コンテや制作資料を交えながら制作時のこだわりについても語られた。
Abel監督に代わり、三角アニメーションプロデューサーは、第1幕の冒頭でシタラが街を駆け抜けるシーンについて「このシーンは原作にはない完全オリジナルシーンとなっていまして、監督が入れた経緯として昔のペルシャの都市が美しく魅力的でそうしたところを本編でもたくさん見せたいということでこのようなシーンを考えたと伺っております。またシタラはこの当時5歳という設定なんですけど、奴隷のお店から逃げ出すという彼女の『勇気』も見せられたらという狙いもありました」とコメント。
続けてこのオリジナルのシーンを作る上で苦労した点を聞かれると「歴史上の作品ということで当時のペルシャがどういった都市だったのかを参考資料を調べたり、シタラが逃げながらどういう風に面白く見せるかという点が苦労しましたが、レイアウトと原画を担当していただいた榎本柊斗氏という非常に素晴らしいアニメーターさんに入っていただけたおかげで素晴らしいものになったかなと思います」と、原作にはないアニメオリジナルの演出を取り入れた理由や、街並みや文化を映像の中でどのように表現したのかを明かした。
山田総監督は第2幕のシタラとファーティマのシーンを例に挙げながら、「1幕はAbel監督が担当しており、シタラが大好きな街を楽しく走り回るシーンがたくさんあってこれから幸せに生きていくだろうというところだったのですが、相反して2幕では会話のシーンをとても大切にしていて“心と心の対話”を大切に描きたかったので少しアニメーションとしての動きは少ないですけれども、表情の芝居を大切にしようと思ってこのような話数となりました」と、意識したポイントや演出面での工夫を解説した。
さらに、シタラの印象的なシーンについても「ザクロはシタラの住んでいるペルシャに咲いているお花なので彼女の大切な故郷を象徴する意味でも描いていますし、ザクロの実としては子孫繁栄などの意味も込めているので故郷を大切にするシタラが未来に希望を持っている姿を描きたくて大切に描写していきました」と語り、キャラクターの感情表現に込めた思いを明かした。
そして、キャラクターデザインや美術ボードの制作過程についても紹介があり、吉田氏による初期スケッチや設定資料を交えながら、キャラクターたちがどのように形作られていったのかが語られた。
イベントを締めくくる最後の挨拶として、ゲスト全員から海外ファンへ感謝の言葉が述べられた後、会場全員でのグループフォト撮影へ。MCの提案により、「本日惜しくも来られなかったAbel Gongora監督に向けて、みんなの声を届けましょう! せーの、Abel!」という掛け声に合わせ、会場を埋め尽くすファンが一斉に熱いエールを会場中に響かせ、パネルイベントは大盛況のうちに幕を閉じた。
TVアニメ『天幕のジャードゥーガル(英題:Jaadugar: A Witch in Mongolia)』は、7月4日より、テレビ朝日系列“IMAnimation”枠・BS朝日ほかにて大好評放送中。全世界ではCrunchyrollにて配信スタートとなる。
(C)トマトスープ(秋田書店)/天幕のジャードゥーガル製作委員会


