■「通りすがりに指摘」SNSや街中で絡んでくる“着物警察”の実態
着物警察とは、着物の正しく綺麗な着方にこだわるあまり、他人の着物の着方を批判したり、無断で着付け直したりする人たちのことだ。多くの人が浴衣を着ることが多い夏の時期を含め、一年中いつでも着物を着ている人の前に現れては、まるで警察が厳しく取り締まるかのように振る舞う。
SNSなどで着物の自由なコーディネートを発信している、みさまること稲岡美紗氏も、そうした着物警察の取り締まりを受けた一人だ。当時の状況を次のように明かす。
「袖から襦袢が出ていただけで、通りすがりに指摘されたり、知らない女性に『帯直してあげる』と言われながら、突然身体を触られた」(稲岡氏、以下同)
SNS上で「伝統を壊すな」「そんなものは着物じゃない」などと書き込まれたこともあるそうだ。
「着物をやめればこういう言葉を見たり、言われなくて済むのかもしれない。でも着物を好きな気持ちは消えなくて、その間でずっと苦しんでいました。私は着物を“神聖なもの”としてではなく、“着るもの”“自分が着たいファッション”として自由に着ていました。そういった姿が着物はこうあるべきという価値観と大きく衝突していたのだと思います」
「着物はこうあるべき」着物警察のこうした考え方を感じ取る人は、ほかにもいるようだ。
「(着物警察から)季節感を言われたとか。例えば、この夏用の絽(ろ)の襟をちょっと早めに6月にしていたり、もっと早い5月にしていたりすると、『ちょっと季節が違うわよ』と言われたという人は(身近に)います。暑ければ6月だって30度近くあるから、そういう時に私みたいに“That's夏物”を着たっていいじゃないかと」(書道家の松岡有規子氏)
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