かつてアイドルを志し、オーディションに落ち続けていた上谷は、騙される形で女子プロレスの練習生となった。アイドルを続けるための選択肢として「お母さんには絶対に内緒」と割り切り、午前10時から午後5時まで及ぶ過酷な筋トレや先輩のサポート業務に励んでいた上谷だったが、ある日、思いがけない事態からその活動が発覚することになる。
きっかけは、プロレスファンがSNSにアップした1枚の写真だった。そこに上谷がセコンドとして写り込んでいるのを発見した母親は、「今すぐ辞めなさい!!!」と激怒。上谷が「アイドルを続けるためにプロレスをやってるんだ」と主張しても、「あなた騙されてるんじゃない?」と理解されず、この日を境に毎日喧嘩するようになってしまったという。
その一方で父親は上谷の意思を尊重し、プロレスに賛成する立場をとったため、両親の意見が真っ向から対立。「父と母が連日大ゲンカで家庭崩壊寸前」という過酷な状況に陥り、上谷は家を出て、デビュー戦まで祖母の家に身を寄せる生活を送ることを余儀なくされた。
その後もエルボーの練習中に胸骨を骨折するなど、満身創痍になりながら練習を続ける上谷に、母親は「沙弥にはずっと健康でいてほしいから…」と初めて涙を流して反対した。しかし上谷は「自分がやるんだ」という強い意志を曲げず、2019年7月にプロテストを一発合格し、本格的にプロレスラーとしての道を歩み始める。
そして今年2月、大ケガを抱えながらも防衛戦に勝利した上谷のもとに、母親から初めて「沙弥、カッコ良かったよ!本当に強いと思うよ!」と認められる言葉が届いた。「この時ようやくお母さんに認められたような気がして、プロレスをやってから一番嬉しかったです」と振り返る上谷。そして、スタジオでは母親からのサプライズの手紙が読み上げられる。
手紙には、ケガと隣り合わせの危険なスポーツだからこそ一刻も早く辞めさせなければとそればかり考えていたこと、かつて上谷が足を痛めて杖をついて帰ってきた際に「私なんでこんなことしてるんだろう」と泣いていた姿を見て、これで辞めてくれるだろうと願っていた複雑な胸中が明かされた。さらに、「一生懸命頑張っている沙弥に対して、頑張ってと言えなかった自分が情けない気持ちでいっぱいです。私の気持ちよりも、さやの頑張っている気持ちを理解してあげればよかったです。ごめんなさい」と、当時の不器用な愛と謝罪の言葉が綴られていた。
手紙の温かいメッセージを聞いた上谷は、涙を流しながらも「まず怪我バレてたな、と思って」と語り、スタジオは爆笑に包まれる。吉村から「そりゃそうだよ! 杖ついて帰ってきてるんだから!」と突っ込まれながらも、上谷は「当時はたくさんぶつかったこともあったんですけど、今こうやって活躍する姿を見て応援してくれることが、本当に自分自身心強いですし、嬉しく思います」と晴れやかな表情で感謝を口にし、長年にわたる母との葛藤を乗り越えた絆に、スタジオは温かい拍手で包まれていた。
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