
男は、親の遺産を巡って妻とトラブルになっていました。スーパーの店内で妻を殺害した罪に問われている男に、判決が言い渡されました。
スーパーで“妻刺殺”男に判決
店にいた人(当時)
「レジ付近に規制線が張られていて、それ以上は立ち入れないようになっていた」
営業中のスーパーの店内で起きたのは、夫婦間での殺人事件でした。
「遺産のことで以前から妻と金銭トラブルがあり、刺した」
逮捕当時そう供述していた夫の兼澤孝行被告(59)です。遺産トラブルの相手となった妻・益代さん(当時56歳)を東京・清瀬市のスーパーで包丁で刺し、殺害した罪に問われています。
事件が起きたのは去年4月、清瀬市にあるスーパーでのことでした。日用品や食料品を扱う大型店舗で、4階には図書館もあります。また、手前には清瀬駅などもあり、人が多く利用する場所となっています。
従業員(当時)
「ほとんど人が店の中から出ていて…全然いなかった。みんな外に逃げていた」
兼澤被告は去年4月13日午前10時半ごろ、被害者とともに店を訪れていました。現場となったのは、日用品売り場や100円ショップなどがある3階のフロアです。
被告は売り場で、刃体の長さおよそ18.5センチの包丁を購入したといいます。
包丁はスーパーの中で購入されてから、わずか2分後に犯行に使われたといいます。
被告は3階にある女子トイレに立ち入ると、購入したばかりの包丁で被害者を繰り返し刺したといいます。その時間は、トイレに立ち入ってからわずか48秒。
犯行後、被告はトイレを出てその場にとどまっていて、駆け付けた警察官によって現行犯逮捕されました。
被害者は胸からおなかにかけて7カ所を刺されていて、傷は一番深い物でおよそ17センチに及んでいました。手や腕には、抵抗した際にできた傷が多数あったということです。
“親の遺産使い込み”で強い恨み
夫婦間で起きたこの事件ですが、殺害の動機に関わっているとされるのは被告の両親の“遺産”でした。被告は、被害者が父親の生命保険金などを使い込んでいると認識していたようです。
これまでの裁判では、被告の“動機”が明かされていました。
検察側(論告から)
「被害者が父親の財産を使い込んだり、母親の施設利用料の支払いを怠ったり、被告人への差し入れとして預かった現金も使い込んだという恨みがあった」
「金銭トラブルに端を発して、被害者の殺害を考えるほどの強い恨みを持つようになった」
一方で、被告が主張する被害者の“使い込み”の実態については…。
検察側(論告から)
「金銭トラブルに端を発した恨みは、事実関係をろくに確認せず、被告人が気持ちの赴くままに抱いた一方的なもの」
「被害者は、被告や被告の父親・母親のために行動していた」
被告は事件が起きる前、刑務所で服役していたことがありました。その間、被害者は被告の父親、つまり義理の父親の面倒を見ていたといいます。
その様子を近所の人も把握していました。
近隣住民
「(被害者は義理の)父親と住んでいて、介護していた話は聞いた」
「(Q.当時の様子は?)(被害者とは)あいさつしていた。普通な感じ」
「病気で亡くなったお父さん(被告の父)とお嫁さん(被害者)が部屋に来ていたみたい」
「(Q.お嫁さんというのは息子さんの妻?)殺された被害者」
「義理の父娘という関係。もしくは、もう少し仲が良かったかな。(仲は)悪くはないと思った」
被害者は被告に代わって、被告の父親の入院費用や母親の施設利用料などを支払っていたといいます。
また、被告の父親が死亡すると、生命保険金およそ34万円が被害者名義の銀行口座に振り込まれましたが、これは父親が自ら被害者を受取先に指定したものでした。
ただ、被告は被害者について…。
「不当に保険金を受け取り、父親や母親の財産を使い込んでいる」
そうした中、東京地裁立川支部で21日に裁判長は…。
裁判長
「本件当日、包丁を購入した後、被告人は被害者と金銭の使い込みなどを巡って言い合いとなり、被害者から『お母さんは認知症でぼけてるから、どこにいても一緒だよね』などと発言されたことに憤慨した」
「被害者の言動によって、被告人が怒りを覚えたことについては理解できなくもないが、被害者を殺害するに至ったことは極めて短絡的で、自己中心的な犯行と言わざるを得ない」
検察側の求刑通り、懲役17年の判決が言い渡されました。
(2026年7月21日放送分より)
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