TVアニメ『デジモンテイマーズ』放送25周年!豪華20キャラ集結イラスト&シリーズ構成・小中千昭氏のインタビュー公開

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インプモンとベルゼブモンが導いたドラマ

――当時の制作現場で、特に印象に残っている打ち合わせや、スタッフ間でのやり取りはありますか? 『テイマーズ』の方向性が固まっていくうえで、大きかった出来事があれば教えてください。

 一番印象に残っているのは、やはりインプモンとベルゼブモンですね。当初、主人公のパートナーデジモンとして、インプモンの案が提示されていたんです。ただ、私としては、前々作のアグモンのような怪獣的な存在と子どもが出会う物語にしたいという思いがありました。そこで改めて提示されたのがギルモンです。

 とはいえ、インプモンというキャラクターをそのまま軽く扱うことはできないと思っていました。主人公のパートナー候補として出ていた存在だからこそ、物語の中でも大きな役割を持たせる必要がある。結果的に、インプモンからベルゼブモンへと至る流れは、シリーズを通して非常にダイナミックなドラマになったと思います。

 このあたりの熱量のある物語は、前川淳さんの脚本や芝田浩樹さんの演出によるところも大きいです。私一人では到達できなかったところまで、スタッフの力によってキャラクターのドラマが深まっていったと感じています。

――レオモンの出来事も含めて、ベルゼブモンの物語は非常に印象的です。

 レオモンの出来事は、物語として非常につらい展開ではあります。ただ、ベルゼブモンという存在を大きなドラマの中に置くためには、どうしても避けて通れない出来事でした。インプモンが力を求め、ベルゼブモンへと至った先に何が起こるのか。その結果をきちんと描かないと、彼の物語は成立しなかったと思います。

 同時に、タカトにとっても大きな転機でした。自分の感情が暴走した時、力を持つことがどれだけ危ういものになるのか。そこを子どもたちにも感じてもらいたかったんです。あの出来事があるからこそ、タカトはギルモンとの関係を見つめ直すことになるし、ベルゼブモンのその後のドラマにも重みが生まれていると思います。

――『テイマーズ』ならではの要素として、カードスラッシュもあります。あのアイデアや映像表現については、どのように受け止めていましたか?

 カードで戦うというアイデアが出た時に、アニメとしてどう見せるかは大きな課題でした。ただカードを使うだけでは、画としての動きが弱い。そこで、カードをスラッシュするアクションがあり、それによってデータがロードされるという見せ方になっていったのだと思います。

 ただ、実際に映像になったカードスラッシュは、私の想定をはるかに超えていました。あのスラッシュバンク(特定のシーンの動画を流用すること)は、貝澤さんの演出が本当に素晴らしかった。アクションとしての気持ちよさもありますし、カードを使ってデジモンと一緒に戦うという『テイマーズ』ならではの感覚が、あの一連の動きにしっかり込められている。今見ても、まったく古びていないかっこよさがあると思います。

――物語は最初からすべて決まっていたというより、制作の中で作り上げていった部分も大きかったのでしょうか?

 物語のすべてを、最初から細かく設計していたわけではありません。大きな方向性や着地点は意識していましたが、実際には作りながら考えていった部分も多かったです。たとえば、樹莉のパートナーがレオモンになることも、最初から決まっていたわけではありませんでした。

 他のライターさんや演出の方、関さんも交えて、「ここでこうなったら、次はこういう展開が考えられるんじゃないか」と話し合いながら、少しずつ物語を積み上げていったんです。決まった結末に向かって一直線に進めるというより、現場で出てきたアイデアを拾いながら、キャラクターや物語が有機的に動いていくことを大事にしていました。

 もちろん大変ではありましたが、その分、自分一人では思いつかなかった展開にも出会えました。そういう意味でも、『テイマーズ』はスタッフみんなで作り上げていった実感の強い作品でした。

(C)本郷あきよし・東映アニメーション

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