■加齢で減少?男性の「テストステロン」の役割
医療法人インテグレス代表で泌尿器科医の伊勢呂哲也氏は、テストステロンについて「男性ホルモンの代表的なもので、筋肉をつける役割だけでなく、記憶力、やる気、性欲にも深く関わっている。数値が低下している人は物忘れが多くなる傾向がある」と説明する。
テストステロンは加齢とともに減少し、40〜50代以降に心身の不調を引き起こす男性更年期障害(LOH症候群)の原因となる。経済産業省の資料によると、日本国内における男性更年期症状による経済損失は年間約1.2兆円に上り、欠勤やパフォーマンス低下、離職などが社会的な課題となっている。
LA在住でオクシデンタル・カレッジ准教授のジュリアス・フィンク氏はテストステロンのメリデメについて「筋肉を増やすだけでなく、骨を強くし、糖代謝も向上させる。低テストステロン状態が長期化すると、糖尿病や心血管疾患のリスクが高まる」とした。
伊勢呂氏は過剰な補充療法に伴う副作用について「血液がドロドロになる多血症や脱毛のリスクがある。また、体外から投与を続けることで、体内でホルモンを作る機能や精巣の働きが低下し、不妊につながるリスクもある」と注意を促した。
これに対しフィンク氏は、米国における投与方法(保険適用の注射のほか、錠剤、塗り薬、鼻スプレーなど)に触れつつ、「欠乏しているテストステロンを平均レベルに戻す程度の投与量であれば、脱毛などの副作用は出にくい。ただし、一度補充治療を始めると不妊のリスクが高まるため、リスクとベネフィット(利益)を十分考慮して判断すべきだ」と語った。
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