■「筋トレブーム」と「目的外使用」の波 マンジャロとの類似性と“スキニーファット”の懸念
アメリカでは男らしさや筋肉質な体が社会的成功の象徴と見なされる文化的背景があり、テストステロンの処方件数も増加傾向にある。日本国内でも近年の筋トレブームに伴い、トレーニング効果を加速させる目的でテストステロン補充に関心を持つ層が増えつつある。これは、本来は糖尿病治療薬である「マンジャロ」がダイエット目的で自由診療などで利用されている状況と酷似している。
フィンク氏は、肥満や糖尿病のリスクがある患者に対し、テストステロン補充を行わずにマンジャロ等のダイエット薬だけで減量させようとする近年の傾向に懸念を示した。「薬だけで体重を落とすと、アメリカで言われる『スキニーファット(見た目は痩せているが体脂肪率が高い状態)』になり、筋肉が落ちて不健康になりやすい。テストステロンを併用して代謝を高め、筋肉を維持することが重要だ」と主張した。
美容クリニックでの勤務経験を持つギャルタレント・あおちゃんぺは「クリニックでマンジャロを使っていた女性たちは、まさにガリガリなのに体脂肪率が高いスキニーファット状態だった。タンパク質が不足して髪が抜けたり、肌が荒れたり、精神的に鬱になったりする人もいて非常に不健康だった」と実情を明かした。
また、保育士・てぃ先生は「過去にベンチプレスで120キロを上げるほど筋トレをしていた時期、筋肉を増やしたくてステロイドやテストステロンについて調べたことがある。しかし、脱毛などのデメリットが大きすぎると知り、一般素人が安易に手を出すものではないと断念した」と自身の体験を振り返った。
薬物に依存せず体内のテストステロン分泌を高める方法として、伊勢呂氏は「下半身を中心とした筋トレ」「ストレッチ」「休肝日を作る」「1日30分以上の有酸素運動」「タンパク質や亜鉛の摂取」「朝日を浴びて睡眠リズムを整える」といった日常の生活習慣改善を挙げた。
フィンク氏は「50代以降で筋トレを始めても効果が出にくい場合、テストステロン低下が原因で『ハンドブレーキを引いたまま走っている』状態かもしれない。科学的に筋肉をつけるためにも、まずは血液検査で自身の数値を確認し、適切に対処した上でトレーニングに取り組むことが重要だ」と提言した。
(『ABEMA Prime』より)

