■最初の全体打ち合わせで「全部お願いします」と言われた
――東村さんは今作、初めて「原作・脚本・監督」を全てご自身で手掛けられましたね。
東村:以前から“マンガにせずいきなりドラマ化したらどうなるのかな?”という好奇心がありました。そんな中で、「ドラマを作りたいんです」とお話をいただいて、「頭の中に思い浮かんでいるストーリーがあるんですけど、脚本にしてみます?」と提案させてもらいました。
一昨年くらいから、若手クリエイターにも4人くらい参加してもらいつつ、時々スタッフと集まって、脚本を作っていました。「良い脚本ができたね」などと喜んでいたら、ある日突然、「監督もやってください」と言われて(笑)。通常、連ドラは複数の監督(演出家)が交代で担当するので「トップバッターをやるのかな」と思っていたら、最初の全体打ち合わせで「全部お願いします」と言われて。いつの間にかそういう話でまとまっていました。
――立候補したわけではなく。
東村:そうですね。ただその時に「東村さんのコメディ作品だし、監督も東村さんが適任でしょう」と言っていただきました。
■「こんなに明るい撮影現場はない」
――東村さんから見た撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
東村:環奈ちゃんが座長を務めてくれたんですけど、俳優部の方々が本当に良い人たちで、休憩所でもずっと皆んなでお喋りしていて、明るい現場でした。差し入れも毎日たくさんあって、みんな常にお腹いっぱい(笑)。
哲郎役を演じた桜田通くんをはじめ、りんりん役の山下美月さん、紬役の加納愛子さんも頻繁に差し入れをしてくださるんです。もうずっとお茶会をしているような雰囲気でした。撮影期間の2カ月、同時並行でティーパーティが開かれていたんじゃないかというくらいでした。
――同じくらい明るい撮影現場は他になかったほどですか?
東村:多分ないと思います。この作品は1話あたりの配信時間が15分なんですけど、そういった背景もあるからなのか、撮影スケジュールに割とゆとりがあったんです。もちろん徹夜はないし、終わるのはだいたい夜7時くらい、遅くても夜9時30分くらいでしたから。一言でいうとホワイトな職場でした(笑)。そういうのも現場の空気が良くなることに繋がったと思います。
もちろん俳優部の皆さんがセリフをバッチリ入れてきてくださったから成立したと思います。各々アドリブもやっていたけれど、それも完璧でした。もう“オッケーカットしかない現場”というか。皆さん、役者として能力がすごい上に明るくて、本当に素敵な人たちが集まったと思いました。
――『バカンスの法則』というドラマタイトルとリンクするかのように、演者の皆さんが舞台裏からリラックスする雰囲気を作り上げていたんですね。
東村:そうですね。セットもバカンスを表現するのにピッタリな内容のものを作ってもらいました。私、元々、シットコム(シチュエーション・コメディの略)を作りたかったんですけど、皆さんのアドリブとかも含めて、まさにそんな作品が出来上がったと思います。
今作のテーマとしては、明日何が起こるかわからないし、楽しい時間はいつ終わるのかわからないけど、永遠に続くわけではないからこそ尊いと思ってしまう、みたいな。そういう意味でも落差をつけたんですけど、2回目を見た時に物語の捉え方が変わる感覚が得られるかなと。それが私のやりたいことなのかなって思いますね。
■橋本環奈は「生まれ持っている性格が、本当に魅力的」
