■かつては役立ったSNSが「悪化している」
政治ジャーナリストの岩田明子氏は、SNS活用の変遷をこう振り返る。「東日本大震災の取材時は、給水所や物資の場所が分かって本当に役に立った。だが10年前の熊本地震でも、動物園からライオンが逃げたという偽情報が拡散されて一瞬信じてしまった。だんだん巧妙になってきていて、便利なツールが大事なリソースを別のところに分散させかねない状況になっている」と述べる。10年前と比べて改善されたかという問いに対しては「そうでもないかもしれない。もっと悪化している気がする」と答えた。
藤代氏は偽の救助要請が実際の救助活動を妨げるリスクについて言及し、「能登半島地震の時、全然関係ない場所からの偽救助要請が増え、警察が確認に行ったが該当する建物がなかったということが出てきている。それによって命が失われる可能性がある。消防庁などがSNS情報は気にせず、まず確認したものから出動するというガイドラインを作らないと、消防・警察・自衛隊のリソースが命を助けることに使えなくなってしまう」と訴えた。
EXITのりんたろー。は、家族が熊本在住であることも明かしながら「今回のXのこの感じはずっと嫌だなと思っていた。(偽情報を流す人も)さすがに、そこの分別はつくのかなと思っていたが、寂しい国になった。こういう人があふれているのが嫌だ」と打ち明けた。
相方の兼近大樹は、平時のSNS管理の必要性と、地震予知情報を信じてしまう人々の問題を鋭く指摘する。「本当に当てられるなら、その前にみんなに声をかけて事前に止めるはずだ。それができていないということは当たっていない。インプレッション稼ぎに乗らないようにしてほしい」と語る。
さらに兼近は、日々研究を続ける専門家たちが慎重かつ丁寧に説明しているにもかかわらず、匿名のXアカウントの方が信用される現状を深刻に受け止める。「まともな前提知識のない人たちが集まっているところって絶対事件が起きる。現実世界でも正しい知識のない不良たちが集まっているところと同じ状態になってしまっている」と述べ、「XというかSNS全体を本当にどうにかしないと、取り返しがつかないところまで行くだろうというのはもう見えているはずで、誰か動いているのかという心配の方が強い」と語った。
パックンは「アルゴリズムがオーソリティを優先すればいいのに、全く根拠のない匿名情報をピックアップして拡散しているのがいけない」と述べ、藤代氏も「災害時だけでなく平時にも使えるしっかりとした情報インフラが必要だ。きちんと対応しているプラットフォームを我々が選んでいくことも必要だ」と提言した。
(『ABEMA Prime』より)

