5日、熊本地震で煙突が倒壊し9人が死亡した事故について、日本製紙社長らが会見を開き、経緯などについて説明した。
【映像】「マニュアルはございません」発言の瞬間(実際の様子)
冒頭、日本製紙の瀬邊明社長は、八代工場において従業員6名、協力会社ならびに取引会社の従業員3名の計9名が死亡したことについて「尊い命を失うという本当に悲しく残念な事態となりました。私ども、この事態を極めて重く受け止めております」と述べ、謝罪と哀悼の意を示した。
続いて、山邉義貞八代工場長が当時の状況を説明した。工場内にある80メートルの煙突が中央部分から倒壊し、その場所に2階建ての建屋があったと述べた。2階には操業スタッフの管理室があり従業員8名が執務中で、うち6名が死亡、2名が救出されたと説明した。1階部分では協力会社の社員1名と、空調機のメンテナンスを行っていた取引先の社員2名が死亡したと報告した。
質疑応答において、記者から9名が亡くなった当時の具体的な状況について問われると、山邉工場長は「亡くなった6名の従業員はデスクワーク中でそのまま被災した」と回答し、同じ机の並びに座っていた2名が救出されたと補足した。1階にいた協力会社等については「どのような状態で救出されたのかは、私どもまだ消防・警察とお話してませんので、正直わからない」と述べた。
別の記者から、「大きな地震があった時に煙突が折れることがあり得ると想定していたか?」と問われると、杉野光広副社長は「非常に難しいところだ。倒壊のメカニズムは専門家に入っていただいて調査をすべき。調査委員会を立ち上げて検証していきたい。煙突の(安全)基準は定期的に厳しくなっている。大きな地震が来たら、煙突に何らかの被害が被るということは一般的な常識として申し合わせていた」と答えた。
これに対し、記者が煙突倒壊時の避難基準などがあったか尋ねると、山邉工場長が「震度計があるが、残念ながら今回の地震は欠測になっている。地震とともに電源が喪失しましたんで」と明かしたうえで、「煙突が崩壊するから避難するというマニュアルはございません」と答えた。
記者が煙突の交換の時期が近かったか追及すると、山邉工場長は「直近の測定データはございません」と回答し、老朽化していたかどうかは事故調査の委員会で調べないとわからないと答えた。さらに記者が鉄筋コンクリート製煙突の寿命について尋ねると、山邉工場長は「ちょっとそこも私には知見がないというか、調査委員会の方で専門家の先生に調べて…」と述べた。
その後、別の記者から煙突が倒れた時刻や救助に時間がかかった理由について聞かれた山邉工場長は煙突が地震直後に倒壊したと認識していると説明した。また、救助要請がなかなか繋がらなかったことに加え、駆けつけた消防らによって「一つひとつ手作業で瓦礫を除いていくということで、非常に時間がかかってしまっております」と答えた。
(ABEMA NEWS)

