■「自分が悪いから、また凍結された」罪悪感を利用した詐欺の構造
まーちゃろさんによると、インスタグラムのDMで美容系企業を名乗る相手から商品紹介の依頼が届いた。やり取りはLINEに移り、専用プラットフォームで契約と報酬受け取りを行うよう指示された。前払いで報酬が振り込まれたが、「口座番号を1箇所間違えたため凍結された」と連絡が入る。
「自分がやらかしがちな性格なのもあって、本当にやってしまったのかと思い、仕事だから急がないといけないと振り込んでしまった」と振り返る。しかし入金したそのお金も凍結されたとし、「信用スコアが足りない」という名目でさらなる入金を要求された。「自分が悪いから、また凍結された。もう本当に詐欺師の思考にどんどんはまっていった」。結局、3回にわたり入金を続けたが、全額引き出せない状態のまま、さらに多額の振り込みを求められた。
消費者金融への手出しを寸前で踏みとどまり、母親に相談したことで詐欺だと気づいた。警察に被害届を出した後も、「お金が返金されると思ってしまっていた」と明かす。完全に目が覚めたのは、案件を依頼してきた企業の本物の窓口に問い合わせ、「そういったことは行っていない」と返答を受けてからだったという。
詐欺・悪質商法の取材を長年続けるジャーナリストの多田文明氏は「詐欺は気持ちのアップダウンをさせながら、うまく誘導していく。ゴールはお金を取ることで、そこに向けて私たちの気持ちを上下させる」と解説する。また、「口座凍結はよく使われる手口で、詐欺師と話すと毎回これが出てくる。口座番号のミスというのも、詐欺師側がでっち上げているもので、おそらく実際には間違えていない」と指摘する。
■「先払いはおかしい」「フォロワーを深追いして確認する」当事者が語る見分け方
