見張員が間違った指示を出した可能性 特急『スペーシアX』に作業員4人はねられ死亡

見張員が間違った指示を出した可能性 特急『スペーシアX』に作業員4人はねられ死亡
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20日午前10時46分ごろ、栃木県の東武日光線・新鹿沼駅で作業員4人が、特急列車にはねられました。
当時、現場では、10人が除草作業などにあたっていたそうです。
特急列車にはねられた4人、全員の死亡が確認されました。

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東武日光線・新鹿沼駅
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4人をはねた特急列車は、東武鉄道が開発した観光向けの最新車両『スペーシアX』。

スペーシアX
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運行が始まったのは、3年前の夏。東武鉄道は、外国人観光客の取り込みを狙うとともに、コロナ禍で人出が落ち込んだ日光・鬼怒川エリアの起爆剤にする考えでした。

東武鉄道
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スペーシアXは、浅草駅と栃木の観光地を結び、毎日、6往復しています。

新鹿沼駅
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今回、事故があったのは、浅草に向かう上り列車で、新鹿沼駅で停車する寸前でした。
運転士は、線路内にいる作業員に気づき、非常停止措置をとりましたが、間に合わなかったといいます。

スペーシアX
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見通しは悪くない状況で、なぜ、事故が起きたのか。
東武鉄道が、20日夜、会見を行いました。

東武鉄道施設部 佐藤晃一部長
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東武鉄道施設部 佐藤晃一部長
「私たちは、列車見張員を適正に配置し、列車が来ることを確実に捉え、列車から待避できる状況をつくれる場合には、昼間の作業を良しとする規定で、工事を実施しています」

列車見張員
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列車見張員は、作業中であることを列車側に伝えたり、列車が近づいたことを作業員に知らせたりします。
3年前、富山地方鉄道では、保線作業をしていた作業員1人が列車と接触し、亡くなる事故がありました。
運輸安全委員会は「列車を見張る業務に専念する列車見張員が配置されていなかった」としています。
作業員が死亡した事故は、2009年から10件起きていて、そのほとんどで、見張りが徹底されていませんでした。

列車見張員
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東武鉄道は、事故現場の80メートル手前に列車見張員を配置していたそうです。さらに300メートルほど手前にも、中継見張員を配置していたといいます。ところが、その見張員同士は。

東武鉄道広報部 中田光一課長
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東武鉄道広報部 中田光一課長
「連絡意思疎通できる状況ではなかった。要はそういう状況になかった。

東武鉄道施設部 佐藤晃一部長
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東武鉄道施設部 佐藤晃一部長
「(Q.それは何で)そこのところをよくよく確認したいと思っている」

一方で、運転士は、現場近くにいた列車見張員から進入可能との合図を受け取ったと証言しているそうです。

東武鉄道施設部 佐藤晃一部長
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東武鉄道施設部 佐藤晃一部長
「(Q.列車接近了解合図は、待避を確認したうえで出すものか)そうです。(Q.待避ができたと列車見張員は認識している)運転士の証言の通り、列車接近了解合図として出したということになると、おっしゃる通りになる」

東武鉄道運輸部 亀山昇司部長
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東武鉄道運輸部 亀山昇司部長
「何をもって、了解合図を出したのかというところは、現時点では、私どももちょっと把握してない状況」

運輸安全委員会は、鉄道事故調査官を派遣しました。

運輸安全委員会 横飛雅俊調査官
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運輸安全委員会 横飛雅俊調査官
「(Q.接触した作業員は反対側に待避できなかったか)事故当時の状況、どういった考えで、その場所にいたのか、今後、確認しなければならない。いま申し上げられることは、申し訳ないですが」

事故から約4時間半後、運転が再開しました。
東武日光線は、上下線で33本が運休となり、約2600人に影響が出ました。
事故にあったスペーシアXには、約50人の乗客と乗員が乗っていましたが、けがはなかったということです。

■東武鉄道は、会見で、作業員などの配置について、詳細を明らかにしました。

列車見張員
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列車が接近した際、作業員を知らせ待避させる“列車見張員”が、作業員から約80メートル離れた場所にいました。さらに、列車見張員よりも離れた場所、駅から約300メートルの位置に“中継見張員”を置いたということです。

旗
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本来、中継見張員が列車を視認し、旗で列車見張員に“接近”の合図を送ります。その後、列車見張員が、作業員をマイクや笛で待避させます。中継見張員に待避完了を知らせ、中継見張員が列車に対し“待避完了”を合図します。それを確認し、列車が警笛で合図し、安全に通過します。

会社によりますと、“中継見張員”は、約300メートル手前にはいたということですが、列車見張員との意思疎通ができない状態だったとしています。なぜ、そうなったかは、現在、調査中だということです。

関西大学 吉田裕教授
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鉄道の安全に詳しい関西大学の吉田裕教授は、中継見張員に何があったかわからないとしたうえで、「今回のように数百メートル離れている場合、旗の合図では、視認の難しさもあり、意思疎通ができていなかったのなら、事故の大きな要因になりうる。他社では、旗だけでなく、トランシーバーなど使って、意思疎通を図るところもある」といいます。

もう1つ、作業員の近くで待避を知らせる“列車見張員”について、東武鉄道は「接近した特急列車に対し、安全確認の合図を出し、それを見た列車側も合図を認識して、警笛を鳴らしていた」といいます。

関西大学 吉田裕教授
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吉田教授は、この“列車見張員”について「まず、80メートル離れていた立ち位置も気になる。通常は待避指示がはっきり聞こえるように、作業員のより近くにいることが多い。最大の疑問は、なぜ、列車運転手に作業員の待避完了合図を出したのか。作業員の状況をきちんと確認せず、旗を振った可能性もあるが、待避完了の合図を出した後に、作業員にアクシデントが発生した可能性もある」としていて、真相解明に向け、今後、現場にいた作業員などの証言が重要になってくるといいます。

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