——実はTVシリーズの放送当時はすでに業界側にいたので、そのお祭りにいちアニメファンとして100%乗っかれなかった部分があるんです。
悠木:ただただお祭りとして純粋に楽しむには、働いている人たちが近すぎますよね。彼らの頑張りが身近な分、浮かれられないというか。
——引いた視点でそのお祭りを見ていたからこそ、その熱狂の根源となった要因がなんだったのだろうかと今にして考えてしまうんですよね。特に放送当時の2011年に比べて、2026年ではアニメを取り巻く環境も変わってきています。悠木さんは『まどか☆マギカ』という作品がここまで大きな作品になった要因はなんだと考えますか?
悠木:いちばん最初にみなさんが面白いと感じたきっかけは“考察”だったと思うんですよね。世界観の考察をして、このあとどんな展開になるのかみんなで予想しながら見ようという動きがあって。こういう描写が描かれているからこうなるのでは? とか、みんなで想像して考えることが楽しい作品だったのだと思います。
当時は、アニメはオタクのものという風潮もありましたけれど、今ではそんなこともなくて、あらゆる人がアニメを趣味として楽しんでくれるようになっていて。
そのきっかけの1つになった作品であると私は胸を張っているのですが、答えを(作品の中で)出さないからこそみんなで考察して哲学して楽しむことができる作品。『ワルプルギスの廻天』にもその要素は含まれていて、それが現代の人の口に合うのかはまだわかりませんが、そこを変えずに作っているところが私はすごく好きだなって思いました。
——インターネットの普及からSNSの普及があって、当時は確かにたくさんの考察がありましたよね。記事を書く参考にさせていただいたこともあります(笑)。
悠木:私もアニメを見たら自分の中でその作品がどうだったか、描かれた世界や描かれたひとりひとりの正義や幸せについて考えるのがめちゃくちゃ好きなんです。もちろん、役者という仕事柄もありますが、そこが楽しいんですよね。
考察できるだけの材料がそろっていて、総合芸術であるアニメーション表現でなければできない考察の余地があるお話が詰め込まれているのが『まどか☆マギカ』の良さだと思っています。
「とんでもないドーパミンが出るよって(笑)」
