——おっしゃることに本当に共感するのですが、絶対に答えがあってそれをすぐに知ってしまうことが正義みたいな風潮も、SNSの発達で生まれてきているのがもどかしいなとも思っています。
悠木:おっしゃる通り、考えることが楽しいなと思える作品が意外と減っているかもと思っていて。みんなで一緒に何かを考えるということがこんなに楽しいんだということが『まどか☆マギカ』でもありましたし、何が正解かはあなたたちの中にしかないのですよとされているところがすごいオシャレだなと思うというか、実際そうなんですよね。
真実に意味があるのではなく、あなたがどう捉えたかに意味があるということを徹頭徹尾貫いているのが、『まどか☆マギカ』のかっこよさだなと思っています。
それこそ私たちもアフレコのなかで「これってこういう意味かな?」っていうことを(暁美ほむら役の斎藤)千和さんたちとも話しながら「こうなんじゃないですか?」「こうだったんですね!」ということを、辻褄を合わせながらやっていて。
——台本のセリフやト書きから読み解くのも難しい作品ですね。
悠木:でも私はまどかの視点しか見られていないので、逆に追いきれていないこともいっぱいあって。それぞれの視点で見るとまた違う真実がいっぱいあるんだろうなと思います。ぜひ回数を重ねて見ていただいて、あなたの真実に辿り着いていただきたいなと。
それこそ、かつてアニメは子どもが見るものという風潮もありましたけれど、逆にいま子どもたちがこれを見たらどう思うの? どんな子に育っていくの? と思っちゃうくらい、いろいろな哲学が入った作品になっていますし、全然アニメを知らない人が見てもとりあえず映像と音がすごいことはわかってもらえるとも思っています。
——わからなくても、何かとんでもないものを見たということだけはわかるという(笑)。
悠木:ショート動画じゃ満足できないくらいのとんでもないドーパミンが出るよって(笑)。ひとりで見に行ってじっくり考察してもらってもいいですし、友達と見に行って自分はこう思ったと話し合ってもらってもいいと思います。それを話し合ったことでその友達がどんな人なのかよりわかるという(笑)。
一同:(笑)
悠木:そういう意味でも、作品を見るということは自分を見るということでもあり、相手を見ることでもあるということがめっちゃ詰まっているので、ぜひそういう楽しみ方をしてもらえればいいんじゃないかなと思います。
『ワルプルギスの廻天』で描かれる映像と物語を体感して、どう感じて考えるのか。その過程に意味があるのだと実感できるインタビューとなった。ぜひ劇場で自分だけの真実を見つけてみてほしい。
取材・撮影・テキスト/kato
(C)Magica Quartet/Aniplex,Madoka Project

