■「入試の多様化の前提を外した方がいい」専門家が指摘する制度の限界
総合型選抜が抱える課題について、東京大学大学院教育学研究科の中村高康教授は「これはどこに応募したら本人が有利になるのか、適切なのかというのは簡単には分からない。それ自体が負荷になっているのかなとすごく思う」と分析する。そして、「熱心に取り組める家庭・事情のある方とそうでない方で、情報量に差が開いてしまう。これは学校もそう。学校単位で総合型選抜を熱心に狙っている学校だとそれなりに情報収集しているが、そうでなければ一般入試中心の指導をやってしまったり」と語る。
また、「(入試の)多様化は『正しいことなんだ』という前提を外した方がいいのでは。もう多様化しすぎている。大事な試験に組み込まれると、みんな練習してくるし、正解を求めて結局同じ型に行き着いてしまったりする」と、制度の形骸化を懸念した。
こうした現状に対し、浜田氏は「入試の多様化を目指した結果、本当に生徒の多様化につながっているのか。親の情報力や経済力がないと戦えない現実があり、それでは多様化につながらないのではないか」と述べた。
また、新聞記事で読んだ事例を挙げて、「実家が経済的に厳しい学生さんのインタビューで『一般試験の方がフェアだ』と書いてあった。自分で努力をすれば点数だから上げていける。一方、総合型は親の情報力や経済力によるサポートの部分が大きいので、経済的な格差を反映させやすい。一般入試の方がまだ本人の力と努力で格差が埋められるのではないかと話していた」と紹介した。その上で「入試が多様なのはまだいいと思うが、総合型が主力になってしまうと、勉強をコツコツ努力するのが得意な子の間口が狭まってしまう」との懸念も示した。
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