『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』が、現在公開中だ。『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』以来13年ぶりに公開されたシリーズ最新作となり、総監督・新房昭之氏、キャラクター原案・蒼樹うめ氏、脚本・虚淵玄氏(ニトロプラス)らが制作に参加。オリジナルのコアスタッフの手によって、独創的な映像と考察しがいのある骨太なストーリーが展開する。
本記事では、『ワルプルギスの廻天』公開前の虚淵氏にインタビューを実施。脚本制作の背景やさまざまな設定がどのようにまとめられていったのか、制作秘話に関する内容をネタバレありでお届けする。
——13年ぶりの新作ということで、まずは脚本を手がけられたタイミングから伺えればと思うのですが、『叛逆の物語』の制作後にはなりますよね?
虚淵玄氏(以下、虚淵):『仮面ライダー鎧武/ガイム』(2013年10月〜2014年9月放送)をやっていたときに1年くらいアニメの仕事から離れていたのですが、そのときに劇団イヌカレーさんからすごい量のアイデアノートをいただいて、ストーリーにまとめ直していきました。
『叛逆の物語』の続きを作るとは思っていなかったのですが、これだけの情報量があれば(映画として)1本分の映像作品にはなるということで、脚本を書き始めたという経緯になります。
——『ワルプルギスの廻天』では名塚底根(なづかそこつね)という新たな設定も出てきますが、それもアイデアノートに?
虚淵:ありました。ひと晩で書いたものではないようなものすごい量が、スケッチブックにラフ絵と文字で書かれていて。
ワルプルギスの夜についても劇団イヌカレー(泥犬)さんのアイデアノートにあったものですが、(ワルプルギスの夜の正体の)名前がないことやほむらと同じ顔をしていること、運命の人を探していてまどかに執着しているという要素やシチュエーションは出そろっていて、それぞれの設定やメモ、シチュエーションを紐づけてストーリーとして脚本上で整理していきました。
——脚本を書き上げていく中で新房総監督やほかのスタッフの方の意見も取り入れていったとは思うのですが、本作ではベースに劇団イヌカレーさんの構想が大きくあると?
虚淵:構想という部分においては、ほぼ劇団イヌカレーさんです。『魔法少女まどか☆マギカ』という作品自体の骨格はたしかに僕が作っていますが、本作では各々の骨まで作っていただいたという形ですね。「この骨をこう並べてみたらこう見えませんか?」と(脚本にまとめることで)提案したということになります。
TVシリーズのころも、細かいところのディテールや意味ありげな演出は劇団イヌカレーさんの手によるものが多いので、案外視聴者の方々が見て印象に残っている部分が、僕ではなくてほかの人の手によるものだということは多いと思います。
「無理ゲーをプレイしているようなしんどさ」
