■「不真面目と思われるのでは…」聴覚過敏や脱毛症を巡る葛藤
周囲に理解されにくいアイテムを着用する当事者たちの葛藤は、サングラスだけに留まらない。
大学教員の梅崎真理子氏は、子どもの頃から聴覚過敏に悩まされており、周囲の雑音を遮断する「デジタル耳栓」をイヤホンのように着用している。見た目が一般的なイヤホンと変わらないため音楽を聴いていると誤解されやすいが、これには、周囲の音を小さくして会話に集中するための器具だ。梅崎氏は、未着用だとエアコンや冷蔵庫の音、レストランのグラスが鳴る音などが全て同じ音量で聞こえてくると明かし、「会話に集中できず疲れ果ててしまう」と説明する。
その上で、梅崎氏は「聞きたいからこそ着用しているのだが、話を聞く姿勢が『不真面目』だと思われるのではないか」と思い悩む実情を吐露。毎回事情を説明する負担も大きく、その日限りの関係や大人数の場では伝えるか迷い、自分が我慢する選択をしてしまいがちだという。「デジタル耳栓に出会って世界が広がったが、使用には葛藤が伴う」と胸中を明かした。
一方、2024年に円形脱毛症を発症したライターの木村美穂氏は、日常的に医療用帽子をかぶって過ごしていた時期がある。後頭部に大きな脱毛斑ができ、職場や会議の席で奇異の目で見られた経験から「本当に外に出られなかった」と回想。さらに「“10円ハゲ”のイメージがあるのか『たかが円形脱毛症でしょ』と軽く扱われ、傷つくこともあった」と、過去の苦痛を語った。
さらに木村氏は、自身の姿を見られたくない気持ちに加え、周囲や家族に気を遣わせないよう家の中でも帽子を着用していたと説明。仕事の場においても「円形脱毛症なので帽子をかぶっています」と説明しなければ、なかなかコミュニケーションができないと感じ、初対面の相手にもほとんど説明していたという。
こうした声を受け、佐々木氏は広く知られていない病気や障害ほど、当事者が事情を説明しづらく、周囲にも理解されにくい悪循環があると指摘。 「言えないからこそ周囲に理解されず、異様に見られてしまう悪循環に陥ってしまうのが非常に辛いところだ」と分析した。
■「自己開示」の負担と今後の発信の意義
