性犯罪加害者にGPS装着は必要か 海外では“足輪”や“化学的去勢”の例も 再犯防止と社会復帰の最善策とは 識者「社会から切り離すと更生の妨げに」と懸念も

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■実証実験は「所持」で十分か?装着義務化を求める声

GPSの問題点
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 番組ではまず、今回の実証実験が「同意者」に限定され、かつ「所持」にとどまる点について意見が交わされた。

 2ちゃんねる創設者・ひろゆき氏は、「(再犯したくないと)同意した人がGPSをつければ、5年経った時の再犯率はかなり低くなるはず。再犯をしたい人は同意なんかしない。実験の目的は、再犯率を下げること。数字が低くなれば、GPSをつけた方がいいという結論になるし、その方がGPSを活用する社会への一歩になる」と実験の意義を評価した。

 一方で、「所持では意味ないと思う。別に『また、やる』という人がいれば、GPSを家に置いて出て行くだけ。本格的にやるのであれば装着を義務化するべきだ。義務化すると再犯率が下がるという結果が、海外では出ている」と実効性に疑問を呈した。

 メルカリ AI strategyのハヤカワ五味氏も、「実証実験で『所持』となると、最初から装着してほしいという意見が出るのも想像できる。大企業や政治の場でも、実証実験をしないと説明がつかないという事情があるだろうから、所持だと弱いと思いつつも重要な一歩。ただ、国外で効果が出ているのだから、それを元に始めてもいい気がする。スピード感が遅い」と同調した。

 長年、性犯罪加害者の治療に取り組む西川口榎本クリニック副院長の斉藤章佳医師は、今回の実験対象について「仮釈放・保護観察対象者で、同意した人はかなり治療反応性が高く再犯リスクが低い人。本来、監視と治療セットで行うべきはハイリスクな対象者であり、これでどれぐらい再犯率が測定できるかは疑問だ」と指摘する。

 さらに「GPSだけで解決しないのは、加害当事者の認知の歪みや、衝動制御を助けるものではないからだ。あくまでも補完するものであり、エビデンスに基づいた治療とセットでやっていくことが大事だ」と語った。

 また、加害者の人権という観点から、監獄人権センター事務局長で弁護士の大野鉄平氏は、「GPSを所持させることで外形的に再犯防止につながるように見え、仮釈放の審査で再犯リスクが低下していると認定されやすくなるメリットはある。しかし、これが仮に刑期後ということになればプライバシーの問題が出る。スティグマという形で社会から切り離され、更生や社会復帰の妨げになる」と懸念を示した。

 これに対し、近畿大学 情報学研究所 所長・夏野剛氏は性犯罪の特殊性を挙げ、「強盗などの犯罪とは違い、性犯罪、性的衝動は本能に近い。普通に考えたらそんなことはしないのにやってしまう、バリアが低い人たちだ。『やってはいけない』というプレッシャーを与え続けない限り、やってしまう。他の犯罪とは区分けして考えなければいけない」との見方を示した。

 難しさについては、斉藤氏も同調するところだ。「性犯罪者の治療対象者は、基本的に治療の動機づけがあって『変わりたい』と思っている人。しかし、刑務所には全く変わる気がない人、さらには受刑中から再犯を宣言するようなタイプもいて、出所・退所を10回、15回と繰り返している超ハイリスク群がいる。日本では難しいが、イギリスでは、出所後もそのまま医療施設で治療を続け、社会に出さないようなシステムもある」と紹介した。

■再犯を防ぐためにも必要な孤立の解消
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