■再犯を防ぐためにも必要な孤立の解消
社会には、性犯罪者に対する強い処罰感情が根強く存在する。音楽プロデューサーの松尾潔氏は、「極端だと言われるのを承知で言うなら、児童への性加害は殺人とほぼ一緒だ。実験も段階的にやるよりも、やるならば全員に装着でやらないと、意義も薄れるのではないか。加害者の人権を認めることが被害者を貶めることにならないのは理屈ではわかるが、許せない気持ちがある」と吐露した。
ひろゆき氏はこれに対し、「被害者が罰を与えることでスッキリしたいという意味で望む人がいると話がややこしくなる。働けなくて生活保護で養うよりも、再犯できない状況で稼いで納税してもらった方がいい。一生性行為ができないなどの刑罰よりも、GPSの方が人道的だ。ただ、一生つけるとなれば就職できず、別の犯罪に走る可能性もある。情報は警察や被害者が知ることができればよく、一般大衆が知る必要はない」と主張した。
過度な監視による社会的排除について、斉藤氏は「今まで3500人以上の治療をやってきた中でたどり着いた一つの結論として、孤立と社会からの排除が彼らの2大トリガーだ。治療の中でどう居場所を作り包摂していくかが、遠いように見えて近道になる。そこを理解した上で、リスクに応じた監視を合わせていくべきだ」と指摘した。
番組では海外の事例も紹介された。韓国では、取り外し不可のGPS足輪の装着や裁判所による治療命令、化学的去勢といった複合的な対策によって、性犯罪の再犯率が劇的に下がったという。
斉藤氏は「韓国では足輪に加え、治療命令を裁判所が出せるようになり、再犯率は9分の1まで下がった。さらに欧米の一部ではハイリスクな人には、化学的な去勢をして、認知行動療法をするなど、かなり複合的な対策によってここまで再犯率が下がっている。見習うべき事例だ」と評価した。
一方で日本の課題について、「日本の場合は、最もハイリスクな性加害者は累犯で、満期出所してくる人たちだ。出所後、この人たちには現状どこも介入できない状態で野に放たれる。ここにどう介入するかが、本来一番法務省にやっていただきたいところだ」と制度の隙間を指摘していた。
(『ABEMA Prime』より)

