■予備校通えず、ネットで無料の教材探し
清野さんが生活保護受給世帯となったのは、中学3年生の受験直前のことだった。「生活が行き詰まってしまい、生活保護を受給することができて、なんとか生きていく道が保たれた」と振り返る。
東大進学を決意した理由については、「毎回、奇跡みたいなものを起こし続けない限りは生きていけないだろうと思っていた。『東大に受かって人生を大幅に変えられるか』『詰んでしまうか』の2択ぐらいの感覚だった」と語る。
しかしその道には、経済的な壁が立ちはだかった。名門高校に進学しても、周囲の生徒が当然のように塾や予備校に通う中、清野さんにはその費用がなかった。「たとえば模試で頑張っていい成績を取ると『無料でうちの予備校にお越しください』とか言われることもある。ただ、授業は無料だけれども、『入学金などがかかる』とか言われて、その何万円が出せなかった」と当時を説明する。
また勉強に必要な参考書を手に入れることも一苦労で、「できるだけインターネットとかで無料の教材を探して、それだけで勉強するようにしていた」という。
さらに、ヤングケアラーとしての負担も重くのしかかった。受験期、父親の体調悪化により精神的なケアが必要になり、「家に帰ってから深夜の4時、5時とか翌朝に及ぶまでずっと話を聞く状況も日常茶飯事だった」と語る。
アルコールなどに走ってしまうことを食い止めるため、清野さんがそばにいることが求められた。「精神介護が一番、ハードルが高かった」と振り返る中、隙間の時間を徹底的に活用し、「とにかく効率的にやるしか勝ち筋がない」と自分に言い聞かせながら受験を乗り越えた。
■生活保護世帯、かつては高校進学も認められず
