——当時抱かれたほむらに対する印象というのは、どのようなものなのでしょうか?
斎藤:すごく思春期だなって思っていました。最初にほむらを演じたときは、私はまだ20代で(まどか役の悠木)碧ちゃんは10代だったんです。10代が持っている潔癖さみたいなものが出ているまどかが本当に素敵で、それを見て「ああそうだよね、こういう感じ!」と思いながらほむらのお芝居をしていました。
そこから『[新編]叛逆の物語』からも13年が経って……公開後に生まれた私の娘も、思春期に差し掛かるかなというところなんです。
だから今回は娘を参考にではないですが、私は年齢とともに世界を俯瞰して見られるようになっているので、真っ直ぐだけれど見えている範囲が狭い! ということがものすごく羨ましい感覚だし、とてもキラキラして見えて。
それはほむらを演じるうえですごく大事だと思っていることで、視野を狭くするという言い方は変ですけれど、まどかしか見ていない(笑)。すごく悪魔的な振る舞いをしているように見えるけれど、視野はそんなに広くないから、けっこうすぐに不意を突かれたりするところも最高に素敵で! それも彼女の魅力だなと思っています。
——ほむらのまどかに対する想いが、物語でも非常に重要な要素になっていますよね。
斎藤:本当に、まどかという存在が生きる意味になっているんだと思います。ほむらが生きるということは、まどかを救うための道に繋がっているので、諦めたら生きていくことができなくなってしまう。諦められない、つまりまだ挫折できていないから大人になれず、思春期のままで止まってしまっているんですよね。
——もどかしい部分ですよね。『ワルプルギスの廻天』に至るまでで、どうしようもなくこんがらがってしまっていて。
斎藤:(思春期は)いちばんパワーがあるときですよね。そこで諦め方とか挫折の仕方を知って大人になっていくと思うから。でもそこから抜け出せないことはすごく大変だと思いつつ、私としてはもうちょっとみんなにちゃんと相談すればいいのにって思うのですが(笑)。
——さやかとかマミさんとか杏子とかがいるわけですからね(苦笑)。
斎藤:本当に! そのほうがいいかなとは思うのですが、一方で“約束”というものがものすごく重要なものなんだなって感じます。
子育てをしていても思うのですが、うっかりお約束だよ! って子どもに言ってしまうとき、私からしたらこれやってねという軽い意味で使ってしまうけれど、子どもってその約束を破ってしまったときに本当に泣いちゃうんですよね。約束という言葉がすごく重い。
——たしかに。それゆえの真っ直ぐさとエネルギーはあると思うのですが、視野は狭いという。
斎藤:大人になると、キュゥべえじゃないですけれど、その上に契約みたいなのが来るじゃないですか(笑)。そっちが重くなっちゃうから、約束ってちょっとした日常のお約束になってしまうけれど、すごく約束が重い状態なんだなって。今回もまどかとの約束が出てきますが、そうだよね、約束が世界で一番大事なんだなって思いました。
13年ぶりに公開された新作にて、まどかとほむらがどのような結末を迎えるのか。ぜひ劇場で確かめて自分なりの答えを見つけてみてほしい。
取材・撮影・テキスト/kato
(C)Magica Quartet/Aniplex,Madoka Project

