——余白という部分は、ご自身のスタンスとしてはもちろん、演技的にもということですね。
斎藤:今回『ワルプルギスの廻天』の収録をするにあたって『[新編]叛逆の物語』を見て意識したこととして、とにかく余白! 答えを出さない。私がお芝居をしすぎないこと。アフレコの段階では、まだ音楽も入っていませんし、絵もまだでき上がっていないところもあるのですが、すべてが揃ったもので完成形になるのだから、お芝居で説明しすぎない。
だから、ちょっとお芝居が過剰になったと思うところは「気持ちが出過ぎているから録り直しさせてください」と言って録り直してもらったところが何箇所かあります。
——なるほど、非常に深いお話ですね。
斎藤:「出さない美」みたいなものを今回はすごく意識しています。もうちょっと激情のこもったお芝居もありかなとは思ったんですけれど(笑)。でもグッと抑えたほむらのセリフのあとに流れる音楽がとっても活きていたりするので、よかったよかった! みたいな。そういうことの積み重ねが『まどか☆マギカ』ならではだなって思いました。
——余白の魅力というお話を伺ったところで、まどか役の悠木碧さんにもさせていただいた質問があるのですが……悠木さんは『まどか☆マギカ』放送当時の盛り上がりを「お祭り」と表現されていて。
斎藤:そうですね。
——そこから年月が経って、13年ぶりに新作が作られるほどの大きな作品となりました。アニメ史に残る唯一無二の作品となった要因は、どんなところにあったのかなという点を、斎藤さんにもお聞きしたく。
斎藤:すべての要素が揃うからこそ成り立つということをめちゃくちゃ体現している作品だと思うんですよね、『まどか☆マギカ』は。お芝居だけ、作画だけ、音楽だけがすごくいいわけじゃなくて、それらすべてが作品のために作られている。最後のエンディングを見るまでの全部が作品にちゃんとなっていて、それをありありと感じられることがあるのかなとは思っています。
きっと見てくださる方も、それが気持ちいいんじゃないかなって思いました。全力で作っていて、見てくださる方のことも一切舐めていない。だからこそ、「答えはあなたが出してください」という、全員が戦う姿勢みたいなものを持っていることが、『まどか☆マギカ』の素敵なところです。
時間を使って作品を見ていただくことって、言わばその人の人生の一部をもらうことなので、それをするに値する作品をみんな全力で作っているからこそ、その時間に価値があるとすごく自信を持って言えるんです。なので、本当に見てほしいです。
——ぜひ劇場で見て考えて、自分の中の答えを出してみてほしいという。
斎藤:その時間は人生にとってものすごくいい時間になると思うから。そういうふうに言えることって、そんなに多くはないと思っているからこそ、本当に気合い入れて見てほしいです! 気合いを入れて浴びてほしいです(笑)。見終わったあとに、充実感とともにすごい「?」を抱えることになると思いますので、ぜひ劇場で見て解明してもらえたら嬉しいです。
『ワルプルギスの廻天』を見たことで何を感じて何を考えるのか。それこそが『魔法少女まどか☆マギカ』という作品の本質なのではないかと感じられたインタビューとなった。
取材・撮影・テキスト/kato
(C)Magica Quartet/Aniplex,Madoka Project

