■想像を絶する術後と、パニック障害の発症
しかし、現実は甘くなかった。胃を全摘出したことによる「ダンピング症候群」で、冷や汗や悪寒、意識がもうろうとする症状に襲われ、復帰直後に限界を迎えた。最終的に上司にだけ事実を打ち明け、1年半休養することになる。「食事をとらないでいると『どうしたの?』と不自然に思われてしまう。食事や休憩ができる別の場所を作ってもらいたかった」と、隠し通すことの身体的・精神的な限界を振り返った。
浜木さんは「両立したい自分と、できない体とのギャップでパニック障害になってしまった」と告白。「やり直せるなら公表した方がよかったと思うか」という問いに対しては、「(回復して)良くなるという現実が見えていなかった当時は、やはり言えなかったかもしれない。それなら辞める選択になっていたかも」と吐露し、当時の苦しい状況を振り返った。
■産業医が語る「制度の活用」と「企業の努力義務」
内科医で産業医の森勇磨氏は、今年4月からの両立支援の「努力義務化」について、「法的な罰則はないものの、数年後には義務化される流れが一般的。労働者の高齢化や『3人に1人ががんになる時代』を見据え、会社側もシミュレーションしておく必要がある」と指摘する。
また、無理に仕事を続けることへのリスクにも言及。傷病手当金(休業中に給与の約3分の2が支給される)や障害年金などを挙げ、「日本という国でいうと制度はかなり手厚い」と説明した。知識がないまま、がんになった人が相談せずに退職してしまうケースについては「それは絶対に避けてもらいたい」と強調。企業側にも、必要な知識や相談先につながる窓口を用意しておくことが重要だと訴えた。
(『ABEMA Prime』より)
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