思わず笑ってしまうような奇想天外な研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」。1991年にアメリカのユーモア科学雑誌編集者マーク・エイブラハムズ氏によって創設されたこの賞は、「人々を思わず笑わせ、その後に考えさせる」業績を称えるものであり、今や世界的に定着したイベントとなっている。
【映像】ふざけすぎ? イグ・ノーベル賞の授賞式(実際の様子)
近年、日本人の受賞が20年連続という快挙を達成する中、この賞が持つ真の意義や日本の研究環境の現在地について、アメリカ・ケンブリッジで創設者を取材した朝日新聞グローブの大野良祐記者が解説した。
■創設者が語る「パロディではない」真の目的
取材に応じた創設者のエイブラハムズ氏は、イグ・ノーベル賞の存在意義について「素晴らしい研究に人生の大半を費やしながら、誰にも知られていない研究者がいる。それはおかしい」と語る。一見クレイジーに見える研究であっても、時の経過とともにその重要性が理解されるケースも少なくない。
日本のメディアなどでは「ノーベル賞のパロディ」と紹介されることもあるが、エイブラハムズ氏はこれを否定する。ノーベル賞関係者に敬意を払い、不快感を与えないよう細心の注意を払ってきたという。
エイブラハムズ氏は「私たちが作っているのは、人々がこれまで知らなかった世界への『扉』だ」と強調する。その扉をのぞき込み、好奇心を刺激されることで、言われたことをただ受け入れるのではなく、自ら考えて判断する習慣を身につけてほしいという願いが込められている。
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