スプーンや皿…「食べられる食器」の開発 プラ使用や食品ロスを減らす取り組み

スプーンや皿…「食べられる食器」の開発 プラ使用や食品ロスを減らす取り組み
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 毎年大量の使用済みプラスチックが廃棄されるなか、少しでもごみを減らそうと取り組む2人の女性を取材しました。

【画像】北海道大学の学生が開発中「食べられる皿」 材料は?

食べられるスプーン

食べられるスプーン「パクーン」
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 皆さんが豪快に食べているスプーン。実はこれ、「食べられるスプーン」その名も「パクーン」。

 開発したのは、濱崎佳寿子さんです。

 濱崎さんが食べられるスプーンを作ろうと思ったきっかけは…。

株式会社「勤労食」 濱崎佳寿子副社長
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株式会社「勤労食」 濱崎副社長
「私の妹の子どもが離乳食を食べる時に開発時期と重なって。離乳食のスプーンって出かけた先で洗うところがないと、そのまま汚いままビニール袋に入れて、かばんにずっと入れて持ち歩くのが嫌なので、100均とかでプラスプーンを買って現地で使ったら捨ててくるみたいな話をしてて。食べられたら良いよねというところで。その発想から食べられるスプーンを作ろうと」

国内で1年間に排出されるプラスチックごみ911万トン
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 国内で1年間に排出される、プラスチックごみは911万トン。こうしたごみを減らしたいと、食べられるスプーンを作ったといいます。

国産野菜のパウダー
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 味は、かぼちゃや抹茶、ビーツなど全部で5種類。また、国産野菜のパウダーも入っていて、食物繊維やたんぱく質、ビタミンといった栄養もたっぷり。

 見て楽しい、食べてうれしいスプーンとして、発売からおよそ6年で売り上げは100万本を突破したといいます。

6年で100万本売り上げ
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「(パクーンを通じて)日本国内だけではなくて、世界中で(持続可能な世界を作る)きっかけになると良いかな」

 一方、食べられる食器は他にも…。

食べられる皿の開発に挑戦

 北海道では「食べられる皿」の開発に挑む人がいます。

 北海道大学に通う、吉野真由さん(22)です。平日は学業に勤しみ、休日はもっぱら食べられる皿作り。

 この日訪れたのは、大学のある札幌から車で30分ほどの農家。畑を訪れた目的は、傷がついたり、形がいびつだったりして、出荷できなくなった野菜をもらうこと。

市場に出荷できない野菜
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北海道大学3年 吉野さん
「作業しているなかでロスが出てしまう。これをどうするんですか?と聞くと、すき込んだり(堆肥にしたり)、出荷できないからと自分で食べたりするんだよねとか」

 こうした野菜を使って食べられる皿を作るんだそうです。

吉野真由さん(左) 加藤亮さん(右)
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 「愛情込めて作った野菜を無駄にはさせない」そんな吉野さんの思いを形にしてくれたのが、釧路のパン職人・加藤亮さんでした。

 実は、吉野さんが作る食べられる皿は、他にも捨てられるはずの材料が使われているんです。

「年間11万トンくらい日本でロスになってしまっている。なかなか活用先がない」

どのように作られる?

 「食べられる皿」とは、一体どのように作られるのでしょうか。材料の野菜と合わせるのは、「おから」と「脱脂粉乳」です。

「おから」と「脱脂粉乳」
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吉野さん
「おからも脱脂粉乳も日本での廃棄率が高い。おからは8~9割が食用として食べられていない。脱脂粉乳も年間11万トンくらい日本でロスになっている。なかなか活用先がない」

 材料はすべて、捨てられるはずだった食材たち。生地を型にはめて焼くことおよそ1時間で完成です。

食べられる皿「オカラダサラダ」
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 野菜(サラダ)におからなどを混ぜ、体への優しさも込めて名付けられた「オカラダサラダ」。

「食べるお皿ができたら、使いすぎているプラと紙、余り過ぎている食品ロスを同時に削減できると思ってお皿に決めました」

「経済的に持続できる形をつくる」

 横浜で生まれ、幼いころから家庭菜園などを通して、「食べ物の大切さ」を肌で感じてきた吉野さん。

 2年前に始めたのが、食べられる皿「オカラダサラダ」の開発でした。

形を作ることが難しかったという
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 これは作り始めて、1カ月ごろのオカラダサラダの写真。この時は固まったものの形を作ることが難しかったといいます。

吉野さん
「手作りで本当に5時間くらい放課後の時間とかを使いながら夜通し作っていた」

 アルバイトなどをしながら資金をため、試行錯誤を続ける吉野さん。徐々にですが、自分の思い描く皿に近づいてきたといいます。

 この日、向かったのは「道の駅」。

 海産物店の店長に試食してもらいました。

オカラダサラダを試食
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海鮮工房 戸沢穣ニ店長
「かぼちゃっぽい味するか?このままだと物足りないというか、プラスチックみたいなイメージの硬さがあるので。でもこれからの時代、環境問題とかあるので、そういう部分はこういうのは広がっていくと思う」

 商品化の道は、まだまだ険しいようですが、吉野さんの挑戦は始まったばかりです。

吉野さん
「食品ロスを別の課題を掛け合わせる資源として使えないかな。やり方で経済的に持続できる形をつくるのが夢」

2人が描く“未来図”

 食べられるスプーン「パクーン」を作った濱崎さんに、思い描く未来図を描いてもらいました。

濱崎さんが思い描く未来図
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 タイトルは「食を通じて笑顔がずっと続く未来へ」。地域の食材から生まれたパクーンが、子どもたちや働く人たち、さまざまな場所へ広がり、日本から世界へ、そしていつか宇宙へとつながっていく未来を描いたということです。

 パクーンを通じて生まれた笑顔が、人から人へとつながり、その笑顔がずっと続いてほしいと話していました。

 そして、「食べられる皿」の製作に取り組んでいる吉野さんにも、思い描く未来について聞きました。

吉野さんが思い描く未来
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 「食品ロスを『なくす』から『生かす』へ」ということで、廃棄される食材をデータベースとして「見える化」し、マッチングすることで食品ロスを減らしたいとしています。

 レシピありきではなく、その時余っている物からおいしく栄養バランス良く組み合わせる文化を広めたいと話していました。

(2026年9月29日放送分より)

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